暴力装置発言を再検証する。 後編

暴力装置発言を再検証する。 後編

政治 軍事

さて、前編はいかがでしたでしょうか?

今回はその続きである平成22年11月22日の予算員会のやり取りです。

ひとことで言うと、野党になった自民党ってかつての社会党みたい(笑


彼らの主張は「暴力装置」という言葉は左翼用語であり、差別用語で、自衛隊を貶めるものである。仙石官房長官は元左翼でありだから自衛隊が機雷だからこのような差別用語を使うのだ。

純真で国防の意識に燃えて、ひたすら国防に実を捧げている自衛官に対して失礼だ、お前は辞職しろというものです。

率直に申し上げますが、あんたら馬鹿ですか?
と、いうのがぼくの見解です。

 暴力装置という言葉は社会学ではよく使用されてきた言葉であり、左翼用語だとは言えません。仮に左翼用語だとしましょう。
 それが左翼用語であるゆえにダメだというのであれば、「連帯」「人民」「反面教師」「総括」「階級闘争」「革命」「自己批判」「一点突破後全面展開」などという言葉も国会答弁で使用を禁止すべきでしょう(反面教師は毛沢東の造語である)。


同様に、過去侵略戦争を行いい、馬鹿な戦争を起こして国民に多大な犠牲を敷いた大日本帝国の国旗である日の丸や国家君が代を拒絶するという人たちの主張にも耳を傾けないといけないでしょう。ぼくはそのようには思いはしませんし、国家というのはいいことも悪いこともしてきたわけです。ですが自民党の先生方の主張を是とするならば軍国時代に使われた言葉はすべて否定すべきでしょう。
自衛隊はそうであるから「参謀」を「幕僚」とか「工兵」を「施設」とか言い換えているわけでしょう。

であれば軍事用語を使うことも禁止しないとダメでしょう。であれば「企業参謀」とか、そういう言葉もNGなはずです。
 これら答弁を読み限り、自民党の先生方のセンスは、かつて米国の赤狩りのころと極めて酷似しているように思えます。

 

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