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水の特性ってなに?

こんばんは
現役スイミングインストラクターのきよです。

 今回はちょっと難しい話をめっちゃざっくり話していこうと思います。
 そもそも水の特性ってなに?
ってことから始まるのですが、この特性は私たちが水中運動するときにあらゆる働きをしてくれます。
 知らなくてもいいものですが、知っていて損はない物なので、簡単にお話ししようと思います。


 まず水の特性は4つあります。
 それは、《圧力・温度・浮力・抵抗》の4つになります。

 それぞれどんな特性でどんな影響があるのかお話します。

①圧力
 圧力というと押し潰されるイメージがあると思いますが、まさにそれです。
 身体は陸上では大気圧から影響を受け、水中では水圧から影響を受けます。標準大気圧は1気圧として表され、気象や標高によって変化します。そして標高が10m増すたびに1.2hPa減少して行きます。
 一方水は密度が空気の約840倍くらいあります。そして、水深が10m増すたびにほぼ1気圧増して行きます。圧力が増すと気体の体積は反比例して減っていってしまいます。なので10m潜ると1/2になり、20m潜ると1/3になります。
 プールで歩いたり、泳いだりするときも程度の差はありますが、影響を受けます。プールに浸かっている状態のとき、胸郭ら肋骨に守られているため潰れることはありませんが、腹部は水圧の影響を受けて、横隔膜が押し上げられるので、呼吸筋の活動が活発になります。簡単に言うと息を吐くのは簡単にできるけど、吸う時に陸上よりも大変になるため、呼吸筋を鍛えることができるということです。

②温度
 水の熱伝導率は、空気の約25倍で、温度変化のしにくさを表す熱容量は空気の約3500倍と言われています。なので水は空気よりも熱を伝えやすいということです。夏場のプールは熱中症に最適ということです。でも過信はいけません、プール内でも汗はかくので水分補給や休憩はちゃんと取りましょう。

③浮力
 以前もこの特性は取り上げたことがありますね。
 浮力と言えば、アルキメデスの原理が有名ではないでしょうか。【液体内にある物体は、物体が排除した液体の重さに等しい力で押し上げられる。】というもので、実際よくわからないですよね笑
 例えば私たちが湯船に浸かったときに溢れる水の重さ分身体を押し上げる力が働くというと分かりやすいかもしれません。
 でも実際はは水の密度では身体を物質として浮かせることは出来ないのです。しかし私たちは肺に空気を入れることができますよね?肺は空気を吐き切った状態でも約1ℓ空気が残っているのです。さらに空気を吸うと約3ℓ空気を吸い込めます。そうすると身体は浮くことができるのです。(著しく筋骨が充実している場合は除く)
 地球上では身体に下向きに働く重力の合成点を重心と呼び、水中で身体に上向に働く浮力の合成点を浮心と呼びます。この重心と浮心が上下に一直線上にある場合、身体は安定します。    
 通常水に浮こうとして水面で気をつけをすると脚から沈んでいきます。これは脚の部分の比重が浮力より大きいので重心が身体の下部にかかっているのが原因です。また、け伸びの姿勢を取ると、腕を上げている分重心が浮心よりも上に動きますので、脚から沈むのを抑えてくれます。なのでこの姿勢だと身体を水平に保ちやすいというわけです。

④抵抗
 水中の抵抗は移動の妨げになりますが、この抵抗を利用して推進力も発揮することができます。この水の抵抗はいくつかありますが、水面で移動するときの波により身体を押し戻そうとする“造波抵抗”、水の粘性により体にまとわりつき移動を妨げる“粘性抵抗”、身体の周りの水の流れ方による圧力差で移動を妨げる(イメージとしては身体の周りの渦のこと)“圧力抵抗”などがあります。このような抵抗は水中で歩いたり泳いだりする中で、自分の行動を邪魔する働きをしていますが、逆に利用する手段もあります。
 よく言われるのが、揚力と抗力です。まず、揚力から説明していきます。
 揚力というのは飛行機の羽根にも使われている原理で、液体や気体内で動く板や羽根などの物体の周りを通る液体や気体の上面と下面の気圧差で物体を動かします。(下記画像参照)

 次に抗力とは、物体が進む力を妨げる働きをしています。抵抗と同じなんですが、それを利用して進むことができるということです。
 例えば水泳でのクロールをイメージしてください。頭の方向に進みたいとき、腕は足側に向けて動かします。ということは、腕が後ろに行くのを妨げる力が働くことによって、身体が前に進むということです。また、この腕の動くスピードによって推進力の大きさも変わって行きます。
 揚力と抗力と手の動きを表すものが以下の画像になります。

 このように水には様々な性質があり、これらを利用して私たちは水の中で歩いたり、泳いだりすることができます。
 また健康運動としてもプールを利用する方が多くいらっしゃいます。水の特性には利用者の目的に合わせて活用できるものばかりなのです。
 

 私は子供の頃から水泳をしていて、どのスポーツよりも水泳が好きです。この好きなことを通じて、あなたの苦手や目標を達成することが出来るのであれば、全力でお手伝いします。
 福岡市内のプールであればどこでも伺います。最大で3名様まで、同時にレッスンできますので、1人が不安な方もお友達と一緒にチャレンジしてみませんか?
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