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【読書感想文】Research Driven Innovation・両利きの組織をつくる

Yuki Anzai先生の新著、
「Research Driven Innovation」と
この本の中にも引用文献として取り上げられていた
「両利きの組織をつくる」を読みました。

まず、「Research Driven Innovation」について。
始動でIDEOのワークショップを受けてから、
世の中には「イノベーションのための発想法」的なものが
あふれることを知りました。

よくよく話を聞くと、実際はどれもどれかを貶めるとか、
対立構造にあるわけではなくて、
引いてみると同じようなことを言っていたり、
使い所があるだけなんだよね、と思っていましたが、
この本はそういう気持ちで、ちゃんと整理してくれている本でした。

なんと言っても、安斎先生は、説明がうまい。
おそらく、あらゆる物事が自分の中で辞書化されているんだろうなと感じました。

第一章の両利きの経営についての説明のところ、
実は、今働いている会社も、
「変化」するのは苦手じゃないと思っていたので、
けっこう興味深かったです。

Innovationには変化が必要である

しかし、組織は成功体験に縛られて変化ができなくなる

成功体験をもちつつ変化を起こす方法として
両利きの経営が提唱されている

両利きの経営のタイプは3つあって、
連続的、構造的、文脈的アプローチがある
※文脈的アプローチ:個人が探索と深化の間で時間を分けられるように
組織の機能を設計することで、両利きを達成する。

あと、本書のキーになるもののひとつに「データ」がありました。

いまの会社で経営企画っぽいポジションで「データ」をみることと、
前職の化学の研究開発の現場で「データ」をみることって、
うまくいえないけどなんか違うんだよなあ、とはこの二年くらい感じていて、
それは、

データには大きく分けて
「わかるためのデータ」と「つくるためのデータ」の
2つの目的があります。

という整理に、あー、そうだわ。と思いました。
研究開発の現場にももちろん両方の性質のデータがあったけれど、
当時は、わかるとつくるがものすごく溶け合っていたような気がします。
いまの環境では、わけて考えたほうが
「データってなんのために?」という問いに答えやすいような気がしました。

あと、データをみるときの視点として
「量」「頻度」「推移」「関係」「矛盾」に着目しよう、と紹介してくれていて、
親切・・・と思いました。

つぎに「両利きの組織をつくる」について。

「本書で扱う組織カルチャーとは、ある組織内で想定されている
「仕事のやり方」であり、「仕事に対する姿勢」のことである。
という定義からして、この本のわかりやすさが伝わってきます。

諸事情によりこの本の感想はあっさりめにします。

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