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CDショップ閉店 顛末記 ~CD業界のたそがれ その6

*今回のおススメBGM:Ludovico Einaudi / Le Onde

TV番組「街角ピアノ」で聴いた。 駅の構内とか、商業施設のオープンスペースなどに置かれたピアノをいろんな素人さんが弾く。 それをただ流してるだけの番組。 そこで流れた印象的なメロディに我がアンテナが反応して一瞬出てきた曲名のテロップを記憶した。 よくおぼえたな。こんなフクザツな名前…



業界ふたつめの「負」は、はい。 クレームです。
イヤですね、クレーム。
前回の万引きは、不謹慎覚悟で言えば負けることはあるが、勝つこともある。
負けた時のうっぷんを、勝ったときにきっちり晴らす。
なので正直イヤなしこりが残ることはあまりないが、クレームは言うなれば負けっぱなし。

クレームでキモチがやられたら、クレームでやり返すという技もある。
自分が客として行ったところでクレームをぶつけて、うっぷんを晴らすというものだ。
だけどさすがにそんないやらしいことは私にはできない。
度を過ぎたクレームに萎えたキモチを知ってるだけに、他人に同じイヤな思いをさせたくないということだ。
「江戸の敵を長崎で討つ」は我が意に反する… いや、ちょっと違うか。


私はあまりクレーム処理が得意な方ではないが、以前同じ店にいた人でクレームが大好物な店長がいた。(多層階売場で階ごとに店長がいる)
クレームやトラブルが起こると嬉々として現場に向かう。
平凡な日常業務に退屈してればしてるほど、生きいきとする。

ある時私の部署で万引きがあって犯人をとっ捕まえたとき、呼びもしないのに違うフロアから駆けつけて、まるで当事者のようにこっぴどく責め立てていた。 
私の振り上げたコブシの行方はいったい…


このごろは「カスハラ」なんてことばも話題になって、メディアでしきりに取り上げられているが、クレームをつける人物の傾向をそうかんたんに定義できるとは思わない。
性別・世代とかかんたんな属性でくくれるものでもないと思う。

人というのはその日その時の気分や機嫌で、スイッチが入ったり入らなかったりするからね。(病的なクレーマーは別)
なのでクレーム処理する極意なんてない。 相手もケースも千差万別だからね。

ただ、クレームがあって「あ、こじれそうだな」と感じたときにどうするか。
最悪のケースをあらかじめ予想して覚悟すればそうそうあわてることはない。それくらいしかできない。

若いころ筋金入りの右翼の人に街宣車で流す曲の編集を依頼され、そのことでクレームになったことがある。 コワかった、ビビった。 額に刀傷があったもんな。
そんなことは初めてで、慌てふためいてピント外れの対応ばかりしていたら一喝された。

「うろたえるな!取って食おうっちゅうわけやないんや!」

そう、当りまえだがどんな最悪のことになっても、命まで失うことはないということを教えてもらったのだ。
タガミさん、教訓をありがとう! 今でも忘れてないよ。

あー、今回は書いてても楽しくなかったなぁ…

あ、もうじき閉店在庫処分セール始めるよ。

                                                        
                         (その7につづく)

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