Trovatoreさんの質問への回答 劣化ウランは、天然ウランを濃縮した時に生ずるクズウランで、核分裂性元素が、天然ウランよりもはるかに少ないため、利用法が少なく、金属密度が大きく、戦車の砲弾や戦闘機・航空機の水平尾翼などの振動軽減の安定材として利用、戦車の砲弾が、一箇所に、いくら集まっても、どのような中性子減速材の中に置かれても、臨界になることはなく、いわんや核爆発(素人は臨界=核爆発と誤解)につながることは、ありません

2023年6月20日 11:55
Trovatoreさんからの質問
炉物理という分野で学位を取得された桜井先生から見て、劣化ウラン弾が核臨界になって核爆発する可能性はないと言えるのでしょうか。原子力の専門家を自称する人物が、そのような可能性に言及していればニセモノといえるのでしょうか。

回答
劣化ウラン(Depleted Uranium、DUと略)は、天然ウラン(U-235割合は0.72 wt%、U-235原子数 / U-238 原子数は%表示、U-235原子質量 / U-238 原子質量はwt%表示、なおwtはweightの略、大部分の文献では両者の区別ができていないで、単純に%表示になっている)を濃縮した時に生ずるクズウラン(U-235割合は0.2-0.3 wt%)であり、核分裂性元素(U-235)が、天然ウランよりもはるかに少ないため、利用法が少なく、金属密度が大きく、標的への破壊能力が大きいため、戦車の砲弾にしたり、戦闘機や航空機の水平尾翼などの振動軽減のための安定材(stabilizer)として、部分的に、埋め込む場合がありますが、戦車の砲弾が、一箇所に、いくら集まっても、どのような中性子減速材の中に置かれても、臨界になることはなく、いわんや核爆発(素人は臨界=核爆発と誤解)につながることは、ありません。

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