東海第二総合防災訓練の見学・調査

私は、2022.3.4 13:30-16:30、原電主催「東海第二総合防災訓練」(本部は免震重要棟2F、本店参加、原子力規制庁職員参加、オフサイト担当者、原子力機構職員見学)を見学・調査しました。
訓練内容は、「完全ブラインド制。シミュレータなし。事故シナリオは、地震発生、RCIC作動するも、配管から蒸気漏れで停止、HPCI作動させるも不調で、水位低下、原子炉圧低下、再び地震発生、SE, GE, 内閣総理大臣緊急事態宣言、低圧注水を試みるも、うまくゆかず、炉心溶融となり、それ以上の進展を防止するため、低圧注水系を回復し、注水して、収束」となり、2時間半、活気ある雰囲気の中、ドキドキしながら推移を見ていました。
災害対策本部構成(矢印は情報の伝達方向)
コントローラ →運転班、技術班 ↔ 本部 → 補修班、広報班、保健班など。
訓練では、炉心溶融一歩手前で、最後の安全系を作動させ、致命的事象を回避するのが、暗黙のルールですが、炉心溶融までやってしまいました。過去に、そのような例は、まれですが、存在します。
訓練の途中の後半に、さかんに、SE、次に、GEという略語が出てきましたが、SEとは、原災法10条対象の「施設敷地緊急事態」、GEとは、原災法15条対象の「全面敷地緊急事態」を意味します。それらは、たとえ、炉心が健全であっても、あるいは、溶融するかもしれない事態においても、発せられます。
東海第二のように炉心溶融まで突き進むシナリオも珍しいのでしょう。浜岡は、途中、原災法10条、つぎに、原災法15条を発令しましたが、炉心損傷していません。
東海第二の本部会議のやり取りは、ものすごく技術的で、独特の用語を連発していて、良く分からないこともありました(騒がしく、理解以前の問題として、聞き取れない)。それから、浜岡原発でも東海第二原発でも、途中、頻繁に、「ブラボー」と言う言葉が出てきて、意味が分かりませんでしたが、A, B, Cの発音の聞き取り間違いを避けるため、Bは、ビーと発音せず、ブラボーのビーの意味で、いきなり、ブラボーと言っています。Cは、シーと言わず、チャーリーと言います。現場の知恵です。
最近四半世紀、テレビニュースなどにおける用語の使用法が、厳しくなり、間違って聞き取られないように、注意し、当たり前と思われる用語を追加し(東京と言わず、日本の東京とか)、なおかつ、意味を優先し、正しくない読み方(秋田犬のことを「あきたけん」と言わず、「あきたいぬ」と、日立製作所のことを日立と略さず、日製とし、会話やニュースにおいて、日立市と日立製作所を取り違わないようにする)でも意識的に使用しています。
現場の知恵として、現場の騒音の中でのやり取りや一斉放送において、自動操作と手動操作の聞き間違いの防止策として、手動操作のことを「しゅどうそうさ」と言わず、読み方は正しくないものの、「てどうそうさ」と言います。
訓練の現場に入るため、密な空間であるため、特製マスク(全体が、いくぶん厚く、中心に、直径1cmくらいのフィルタのようなものあり)とフェイスカバーの着用を求められました。
訓練に参加した原電女性社員は1名(運転班と技術班の近くにいた)。
3月4日、東海サイトで気づいたことは、ふたつあり、
・防潮堤用の直径2.5mの打ち込み管が、南側敷地境界と南東方向の海岸境界沿い、それから、北東方向に、多く打ち込まれており、大きく進展しています、
・南北の中心構内道路の原子炉建屋の道路を挟んで反対側に、大きな事務棟がありましたが、それか壊され、更地(南北約100 m東西約50 m)になっており、時期からして、その地上と地下が何に利用されるのか、分からなくはありません、
と言ったことでした。

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