見出し画像

高水三山

笑福亭鶴瓶氏は、お笑い界の大御所です。
私は、彼が中年期の頃、上岡龍太郎氏とやっていた深夜番組「パペポ」を、眠いのを我慢して観ていたクチです。今はそのほとんどがYouTubeで観れるので、しばしば仕事中にながら聞きしています。
そんな彼が、先日のラジオ番組「日曜日のそれ」でこんなことを語っていました。

•修行時代、師匠の家の隣に、マッカーサーというあだ名(パイプでタバコを吸っていたから)で呼んでいたおばさんがいた。
•その後鶴瓶氏が東京で活躍するようになったころ、ある日、テレビの収録現場に見学に来た小学生の女の子がいた。
•しかし見学は断られ、意気消沈していたところ、氏が声を掛けた。可哀想だったので、翌日自分の出る番組の収録現場に呼ぶことにした。
•相手は子供なので、連れて行くことの了解を得るべく、親御さんに電話することにした。夜に、女の子の話を聞いた母親と電話で話したのだが、第一声が「鶴瓶ちゃ〜ん!」だった。
•東京で、そこそこ中年の氏に、いきなりちゃん付けはない。よく聞くと、なんとマッカーサーの娘だった。つい興奮して、関西人的にちゃん付けしたのだった。(ちなみにここまでの話は、数十年前のパペポでも話していて、面白い話だったので、私もよく覚えている。)
•その女の子が26歳に結婚したとき、連絡をもらったので、ビデオレターとお花を贈った。
•それから15年ほど経過したつい先日、突然某芸能人のマネージャーから、泣きながら話しかけられた。なんと、その女の子が、その後芸能の仕事でマネージャーをやっており、「ようやく巡り会えた!」ということで感極まって話しかけて来た、ということだった。

「どんな小さな縁でも、しっかり繋いでおかなあかんな〜」と氏は言っていました。
たしかに、氏の話を聞いていると、この類の話が多く出てきます。乗ったタクシーの運転手がなんと40年前に共演した人の息子だったとか、20年前に氏の留守電に歌を吹き込んだ人と巡り会ったとか、そんな話がよく出てきます。

もちろんトークは抜群に面白い。落語家としても一流。俳優としても彼しかできないキャラクターを演じています。
しかし彼の真骨頂は、そんなスキル面の話ではなく、縁を繋いでいく人間力にあるのではないか、こんなエピソードを聞いていると、そう思います。上述の女の子の話は表に出せるごく一例で、本当は差し障りがあって表に出せない話がたくさんあるはずです。
私は彼とは年齢も業界も違いますが、自分ももっとやれることがあるのではないか、もっと縁を繋いで行く努力の余地はあるのではないか、と思います。

ーーーーーー
私は今朝、こんなことを考えながら、軍畑(いくさばた)駅に降り立ちました。
仕事と家庭の諸問題で日夜懊悩する(嘘。そんな懊悩することはない)心と体を回復させるべく、高水三山に行くことにしたのです。

高水三山は文字通り、三つの山を縦走します。難易度は、この手の登山としては軽めで、歩数は二万歩弱です。よくある、高尾山の次に登る山という位置付けの山です。

最初は急登ですが、ポールを使うとちょうどいいくらいの角度。調子良く登り、最初の山に到着。まだ元気だったので、そのままスルーして、第二の山に向かいました。
第二の山の山頂は眺望が良く、休憩して食事するのに好適な場所でした。
今朝、ゴミ袋を忘れたことに新宿駅で気付き、慌てて構内の成城石井でおにぎりを買い、レジ袋も買いました。まず、そのおにぎりを食べながら、カップヌードルができるのを待つ。食べ終わった頃にカップヌードルが出来上がる、という作戦でした。

しかーし!私はそこでお箸を忘れたことに気づきました。お湯を入れる前だったのが不幸中の幸い。周りの人に余ったお箸はないか聞こうかとも思いましたが、思い切りがつかないうちに、立ち去っていかれました。

こんな時に枯れ枝を使うテクは、よく聞く話です。しかし、適当な枯れ枝が周囲にないし、探して拾って洗っている姿を見られるのも恥ずかしい。おにぎりでなんとなくお腹を満たしてしまった私は、そのまま第三の山を目指すことにしました。

第三の山に行く途中、つい適当な枯れ枝を探してしまう自分に気付きました。もう景色なんて目に入りません。しばらく探しながら歩いた結果、良さげな枯れ枝を見つけ、それをポケットに入れて歩きました。

枯れ枝を拾ったあと、第二の山から第三の山に行く過程が絶景でした。心が癒されていきます。
第三の山の山頂は、さして景色は良くなかったですが、ここでカップヌードルを食べました。ミソ味美味い。ていうかカップヌードルは全ての味が美味い。山の上で食べるカップ麺は高級レストランより美味い。
ちなみに、近時、私は「極上兄さん」という登山系YouTuberの動画を見ているのですが、彼がカップ麺を食べたのと全く同じ場所で食べました。こういう聖地巡礼的な楽しみ方も現代的です。

という訳で、高水三山、なかなかおすすめです。

極上兄さん↓
極上兄さん - YouTube



『人の生涯は、ときに小説に似ている。主題がある。』(竜馬がゆく) 私の人生の主題は、自分の能力を世に問い、評価してもらって社会に貢献することです。 本noteは自分の考えをより多くの人に知ってもらうために書いています。 少しでも皆様のご参考になれば幸いです。