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私たちは序数的に消費を行っているー「限界効用理論」ー

今日学ぶこと


「限界効用理論」とは、家計の消費行動を説明する理論の一つです。しかし、この限界効用理論には大きな問題点があります。今回は、おおきく2つのことを学んでいきたいと思います。1つは、その問題点ってなんだい?という部分、2つめはそもそも限界効用理論ってどんなもの?という部分です。前後しますが、まずは限界効用そのものについて学んでいきます。

効用と限界効用


効用とは、満足度のことです。そのことを頭にいれてもう少し詳しく述べると、効用とは「ある量の財を、消費することによって得られる満足度(満足感」のことです。これに対して、限界効用とは、「ある財の消費量を1単位増やすことにより得られる効用(満足度)の増加分」のことです。

たとえば、経済学者のソンさんはコーラがとてもすきです。

ソンさんはコーラを3杯飲んで、100の満足度を得られたとき、コーラを3杯飲んだときの効用(満足度)は100となります。コーラを3杯飲み終わって、4杯目をおかわりしたとき、ソンさんの効用が110に増えました。
そのとき、効用は100から110へとプラス10増加しました。この「+10」のことを「限界効用(ある財の消費量を1単位増やすことにより得られる効用(満足度)の増加分」といいます。

限界効用理論では、上記のように効用の大きさを100とか110と表します。

これらは、順序しかわからない数字(1番とか2番)と違って、数字の大きさ自体に意味があります。これを基数といいます。限界効用理論は、効用を基数的に測ることが出来ると仮定しています。

限界効用の問題点<現実では、効用(満足度)を基数的に測ることはできない>

限界効用理論では、効用を基数的に測ることがわかりました。

たとえば、サービスエリアで買った限定のソフトクリームに対して、経済学者のソンさんの効用は50だけど、私の効用は100だから、私の満足度(効用)はソンさんの満足度より2倍だね。と他人との効用を比較することが可能になります。しかし、現実では他人と満足度を数字で明確に比較することなど出来ません。ここが、限界効用理論の問題点です。

実際のところ、私たちは普段の生活の中でモノを買うとき、「なんとなくあっちより、こっちの方がいい」とか、「おなじくらい」といった程度で判断しています。つまり、私たちは、効用(満足度)を基数的ではなく、序数的に測りながら消費を行っていることになります。


本日はここまでです。お疲れさまでした🌼

【雑談】
今日は各所で猛暑日になりましたが、群馬の伊勢崎では40℃超えたみたいですね。6月では観測史上お初みたいで。40℃ってどんな暑さなのでしょうか。。日に日にアイスの消費量が増える一方なので、身体にも気を付けながらこの暑さを乗り越えていきたいです。

皆様もご自身にとってよい週末をお過ごしください~。


【今日のまとめ】
①効用とは、ある量の財を、消費することによって得られる満足度(満足感)」のこと。
②限界効用とは、「ある財の消費量を1単位増やすことにより得られる効用(満足度)の増加分」のこと。
③限界効用理論の問題点は、効用を基数的に測ることが出来ると仮定しているところが、非現実的な点。

【参考文献】
石川秀樹 「速習ミクロ経済学」2011年 56頁




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