アルコール依存症~謝るより先に感謝を伝えろ

重度アルコール依存症の kiyopi です。

アルコール依存症の診断を受けて、医師から「家族に、職場の人に、ちゃんと謝りなさい」と言われた経験のある人もいると思います。

僕もその一人です。

ですが僕の経験上、本当に大事だったのは「ありがとう」と感謝の言葉を伝える事でした。

何故、僕が謝罪より感謝の方を先にしろと言うのか?

今回はそこの説明をしたいと思います。

謝罪とは?感謝とは?その意味合い

あくまで僕の感性で感じる事です。

謝罪について

謝罪と言えば「すみません」「ごめんなさい」「申し訳ありません」があります。

謝罪の重さとして「すみません」→「ごめんなさい」→「申し訳ありません」の順に重く捉えられるのが一般的だと思います。

それと同時に、相手より低頭する度合いも大きくなると思ます。

謝罪というのは、『自分の罪を認める』という意味合いがありますが、それと同時に『相手に許しを請う』意味合いもあります。

もう少し深く考えてみると、『自分が罪を認めている事を認めて受け入れて下さい』というあくまで自分主体の行為です。

同時に、『悪いのは自分である』と自分の立場を相手の下に持って行く行為でもあります。

世の中というのは、謝ったからといって必ずしも許されるという訳ではありません。

許す、許さない、許せない、というのは相手の問題であり、相手しか判断も決断も出来ません。

上下関係や相手のエゴ、悪意にも左右されます。

アルコール依存症者は、家族内や職場内において見下されていたり、バカにされていたり、人間的上下関係を下にされてしまっている場合がほとんどです。

そこで謝っても許してもらえない、『罪を認めた』等の理由で更なる上下関係の開きが出来たり、酷い扱いや酷い言葉を受けることも多々あります。

「意を決して謝ったのに・・・」と更に心を病んでいったり、自暴自棄になってスリップしたり、事件や自死を起こしてしまう事もあります。

だから、『謝るのは関係の修復が始まってからでいい』それが僕の考えです。

感謝について

感謝といえば「ありがとう」です。

感謝は、謝罪の様に自分主体ではなく、あくまで相手主体です。

相手を認め、その好意を受け入れ、そこに感謝が湧き、その思いを伝えるのが感謝です。

立場が上であれ、下であれ、対等であれ、上下関係などに囚われなく伝えられ、伝わるのが感謝です。

だから嘘でも、思っていなくても、まずは感謝を伝えるのが先だと僕は訴えてます。

「酒害で辛い思いしたのに耐えてくれてありがとう」
「見捨てないでくれてありがとう」
「医療に繋げてくれてありがとう」

嘘でも何でも色々あると思います。

『感謝を伝えるのは、相手よりも先に自分が相手を認めて受け入れる行為』です。

アルコール依存症者とその家族は、『自分の苦しみこそ分かってほしい』と相いれない関係になってしまっている場合が多いです。

どちらにも相手を認めて受け入れる事はしない、そんな精神的余裕もない、
でも、患者が感謝を伝えるだけでそんな冷え切った関係を崩していく事も出来るんです。

「自分が先に感謝を伝えるなんて出来ない」「自分にだってプライドがある」「負けるわけにはいかない」と言う人もいますが、酔っぱらって醜態さらしてる時点でそんなものはありません。
単なるエゴであり、わがままなだけです。

感謝を伝えていくだけで、理解者や協力者が増えるのであれば儲けものです。

今回は以上です。
参考にして頂けたら幸いです。

あなたの断酒が楽になりますように。
ご家族様の消えない苦しみが少しでも軽くなりますように。

最後まで読んで頂き有難うございます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?