アルコール依存症~回復の段階による精神的変化

重度アルコール依存症の kiyopi です。

アルコール依存症の段階的変化はよく公開されています。

何か月目にこうなりやすいとか、壁期がどうとか。
でも、それはあくまで目安です。

何週間目、何か月目といった時間的というか日数的というか周期を信じ込んでしまうと、その時期が来ることを変に不安に思ってしまったり、その時期になっても自分にはなかったことで実際の回復状態以上の回復をしていると過信してしまったりします。
大切なのは、断酒が継続するようになるまでには、どんな状態があるのか?を知っておくことだけです。

では、精神的にはどんな回復段階を踏んでいくのか?

今回はそこを説明したいと思います。




①同感期

最初は誰でもここから始まります。
共感し共感される事で安心感を得る時期と言われています。

多くの人はここで止まります。

人は誰でも、苦しみを人に分かってほしいと思ったり、自分なりに頑張ってるのを認めてほしいという思いがあります。

これを満たしていくのがこの時期です。
人の体験談に「そうだ」「その通り」と反応し、自分の話に「そうだよ」「ここにいる人みんな同じ」と返されることで満たされる孤独感や所属感があり、安心感が生まれます。

恥の意識が強いため、話す内容も精神面をさらけ出すのではなく、あくまでも「あんなことした」「こんなことした」といった行動部分の話しかしません。

でも、僕が『共感』ではなく『同感』と敢えて言ってるのは、相手に同意する理由が自分の正当化にあることからです。

ここにとどまる限り、本心は相手にも満たされていってほしいのではなく、自分を正当化し満たされたいことにあり、殻に閉じこもっていつまでも親鳥に温めてもらおうとするのと同じだと僕は思っています。

共感期

同感期を一歩踏み出すと共感期に移ります。

その違いは、精神面を語るようになる事です。

ここに至るだけでも凄い人です。
精神面を隠す仮面を自ら脱ぎ捨てるには、恥も外聞も捨てなければいけない、それだけ勇気がいるからです。

自分の心の苦しみ、生きている辛さなどを語るようになります。
それが飲酒とどのように絡んでいくのかを踏まえ、お酒への依存心も認めて暴露していくようになります。

断酒に対する苦しみより、精神面での苦しみと向き合っていくようになる時期です。

自助グループにはそれぞれの会場で特色があり、同感しかない会場、毎回同じ話しかない会場、話す酒害も尽きたためにその週の生活報告する人ばかりの会場、共感期の人の多い会場、共感期の人に寄り添える人のいる会場と様々です。

熱心に参加していたのに、ふらっと参加しなくなる人は共感期に入った人が多いです。
参加している会場では自分の回復に限界を感じ、辞めてしまったり参加場所を変えるからです。

③本当の安定期

精神的な苦しみから抜け出してくると本当の安定期に入ります。
断酒も意識していなかったり、自然な断酒が出来るようになっている時期です。
自分にとっての本当の苦しみと、とことん向き合ってきた人だからこそ、ここに至れるのだと思います。

残念ながら僕は出会ったことがありません。

ここに至った人は多くの気付きを得ているため、心の苦しみを抱えている人にこそ寄り添います。

優しくもあり、厳しくもあります。

自分の苦しんだ経験から、相手の立場や心境、状態から考えられるので、優しくしないといけない場面や時期、厳しくしないといけない場面や時期をうまく使って寄り添っていきます。
心理面の知識を身に付けた人もいます。
そういった資格を取る人もいます。
共通するのは、知識や資格の有無に関わらず、メンター的役割として苦しんでいる人にこそ頼られる存在になっていることです。


自分は今どの段階にいるのか?
自分の参加している会場はどの段階の人の多い会場なのか?
考えてみて、参加する会場を探したり選ぶ参考にして頂けたら嬉しく思います。

今回は以上です。

あなたの断酒が楽になりますように。
ご家族様の消えない苦しみが少しでも軽くなりますように。

最後まで読んで頂きありがとうございます。

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