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ジョー・ウッド選手へのインタビュー

記者「ウッド選手、日本にこのタイミングで来られたのは驚きでした。
話せる範囲でよろしいので、ぜひそのへんのこともお伺いしたいのですが?」
ウッド「本当にこれは偶然で、ある日本の企業からオファーがありました。
今はまだ詳しいことはお話できないのですが
次回の防衛戦の相手である平田くんが住んでいる国も日本ということで
私も日本について学びたいと思いました。それで今回ここ日本へやって来たというわけです。」
記者「実際に来られて触れた日本の感想はいかがでしょう?」
ウッド「空港に降りた時私は驚いたことがあります。
あのなんとも言えない香りですね。そこで私は担当の方に聴いたのです。
この今香っている香りはなんですか?とね。
最初はいくつか候補が上がりました。そうして取捨選択をしていった結果
それがジャパニーズ醤油だということが解ったのです。
私はグルメではないのでそれまではこの香りの正体を知りませんでした。
そうして私はこう尋ねました。ではその醤油が最もよく合う食材は何でしょうと
担当の方は少し考えてこう答えました。冷奴と。
是非食べてみたいと思いました。どこで食べることが出来るのかと聞くと
居酒屋のメニューにあるというので、では連れて行ってくださいということで
初めてその冷奴を食べたのです。
記者「どうでしたか初めて食べてみた冷奴の感想は?」
ウッド「驚きました。最初は白い部分だけを口に運んだのですが
味がしないじゃないかと思ったのです。
そうして今度は醤油のかかっている部分を食べてみました。
そうしたら途端にパンチのある味がし始めたのです。」
笑い(記者)
食べ進めていくうちに私は気づきました。
この一見味がしないと思った白い豆腐には実は味があると
でもかなり薄いですね。そうしてジャパニーズ醤油はとても味が濃い
ソースやケチャップのような濃さではなく後味がさっぱりしている。
薄味の豆腐と食べることでこの豆腐の味も実は深みがあることに私は気づいたのです。
良い食べ物を知ることができてよかったです。」
記者「ウッド選手は表現がとてもお上手ですね。
ぜひ今度はグルメレポーターもしていただきたいです。」
ウッド「ハハハ。そうすると私は減量との戦いになってしまいますね。
日本の食べ物は美味しいです。
そうしてヘルシーですね。だからきっとたくさん食べてしまうでしょう。
それは困ったことになる。」
一同笑い
記者「ウッド選手まだまだ私達はお話をたくさん伺いたいのですが
チャンプでありスターでもあるウッド選手はお忙しいので取材時間が少なくなってきました。
最後に大晦日の平田選手との試合に向けての意気込みを聞かせてください。」
ウッド「イエス。正直私は彼の存在を今回の試合が決まるまでは知りませんでした。
決まってからさっそく彼の試合のVTRを見ました。
彼は日本では静かでクールな選手として知られているようですね?
でもそれは彼のほんの一面に過ぎないと私は思います。
彼はライオンのように勇猛だ。
そうして恐ろしいことに敵が強ければ強いほど本性を表すでしょう。」
記者「それは平田選手がまだ本当の力を我々には見せてはいないということですか?」
ウッド「そうだと私は思っています。私は動物を見るのが好きです。
彼らからはたくさんの学ぶべきことがあります。
日本には日本でしか見ることができない鳥がいますね?」
記者「鳥ですか・・・・」
ウッド「そうです。非常に勇猛で速く飛ぶ。隼です。」
記者「なるほど!隼は確かに平田選手のイメージに合いますね!」
ウッド「そうでしょう?。彼には絶対に油断しない。
もちろん今までも私は油断はしませんでしたが、
より冷静に緻密に対戦イメージを作ってゆく必要があると思いました。
間違いなく良い試合になると思います。」
記者「それは楽しみです!ウッド選手まだまだお話をお聞きしたいのですが
もうお時間が来てしまいました。」
ウッド「良いインタビューの時間でした。
私も気持ちよく受け答えすることができました。
今日はどうもありがとうございました。」
記者「我々も貴重なお話が聞けて本当に感謝しております。
ウッド選手どうもありがとうございました!」
ウッド「試合にもまた来るのでしょう?」
記者「ええもちろん!」
ウッド「その時はまたどうぞよろしく。グッバイ。」

ボクシング界のみならず彼の実力と名声は知らないものがいないほどである。
にもかかわらず誰に対しても丁寧で穏やかに対応してくれる様は
これぞ歴史に名を残す名選手と言わずにはいられなかった。
月並みな褒め言葉は彼にはふさわしくない。
ジョー・ウッド
もはやこの名前こそが彼の存在を語るにふさわしいと私は思った。

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