見出し画像

ドラマ『18/40〜ふたりなら夢も恋も〜』で描かれるアセクシュアルの存在

今期のTBS火曜ドラマ『18/40〜ふたりなら夢も恋も〜』を毎週観ている。好きな芸人さんが出ているという理由で観始め、正直なんとなく観続けている感じだった。

主人公の18歳のシングルマザーと、40歳のキャリアウーマンが、夢と恋の狭間で葛藤する姿を描くこのドラマだが、例によってデミロマンティックの私は、感情移入少なめで距離を感じながら視聴していた。デミロマンティックは恋愛感情がゼロなわけではないので、所々では共感できる部分もあるけど……といった具合。

ところが、である。8/22放送の第7話で、主人公・有栖の親友である世奈と留依の2人きりの会話で衝撃を受けた。

世奈「人を好きになるってそんな単純じゃないってことくらいわかるでしょ?」
留依「ごめん、わからない……」
世奈「なにそれ」

恋愛についてあれこれ悩む登場人物ばかりで、どこか蚊帳の外だった私が突然、当事者として引き込まれたシーンだった。

「人間なら誰しも恋愛に悩むもの」というテーマに見えていたドラマに「恋愛感情がわからない」側の視点が差し込まれ、そしてその視点はそう簡単には理解されない現状を視聴者につきつけたのだ。

このシーンはここで終わってしまったので、留依のセクシュアリティは現段階では断定できない。私のような立場だと、「アセクシュアル」や「アロマンティック」という言葉がパッと頭をよぎったが、(あえてこういう言い方をするが)世奈側にいた視聴者がこのシーンにどんな印象を抱いたのかは気になるところだ。

実はさまざまな問題提起をしている画期的なドラマなのではないかと期待して、次週の放送を楽しみに待ちたい。

恋愛しない人が浮かない世の中に変える活動をするために使います。エッセイ以外にも小説を書いたり、歌も作っています。