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北朝鮮のミサイル発射実験は今後も続くのか

先月末に北朝鮮がミサイルを発射しJアラートが発動された、というニュースが話題になっていましたね。
ここ最近、継続的に同じようなニュースを聞くな〜と思い、気になってこれまでの北朝鮮ミサイル発射実験の経過を調べてみました。
合わせて、今後はどうなるの?を考えてみました。


1. 2019年以降 北朝鮮ミサイル発射推移

防衛省、外務省がそれぞれサイトに掲示している資料を参考に、データがあった2019年以降の北朝鮮による弾道ミサイル発射数をグラフ化してみました。ちなみに、弾道ミサイルの種類によって色分けもしています。

下記参考ソースより筆者作成
参考:防衛省・自衛隊|北朝鮮のミサイル等関連情報
参考:外務省|北朝鮮によるミサイル発射事案

ここで注目するべきは、①ミサイルの性質、②ミサイル実験の頻度、の2点です。

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1-1. ミサイルの性質について

グラフを見ると、2019〜2020年にかけては、ブラウンの「短距離弾道ミサイル」がメインですが、最近に近づくにつれ、ブルーの「弾道ミサイル」やイエローの「ICBM級弾道ミサイル」が増えていることがわかります。今年(2023年)に限って見てみると、全件「弾道ミサイル」または「ICBM級弾道ミサイル」であることがわかります。

「短距離弾道ミサイル」とは一般的に射程距離が800 km以下のミサイルを指します。一方、「弾道ミサイル」は射程距離が800km以上のミサイルを指し、特に「ICBM級弾道ミサイル」は別名「大陸間弾道ミサイル」とも言われ、射程距離が5500km以上のミサイルと同等の扱いを受けるものを指します。

引用:JIJI COM|特集・ミサイル防衛

引用:朝日新聞デジタル|【そもそも解説】北朝鮮はなぜ発射?ICBMとは何か、火星17は…

ちなみに、北朝鮮の首都平壌から東京までの距離は1300kmなので、日本の中枢である首都もしっかり射程圏内に入ってしまっているというのが現状です。

ここ数年で、弾道ミサイルの飛距離が伸びていることから、北朝鮮のミサイルの性質は向上しているということがわかります。

★★★

1-2. ミサイル実験の頻度について

ミサイル発射の頻度にも注目してみましょう。
ミサイル発射実験は、2022年9月以降、毎月実施されており、2023年の5月にも発射されたことを受けて、9ヶ月連続で実施されていることがわかります。なので、冒頭の「ここ最近、継続的に同じようなニュースを聞くな〜」という感覚は間違いではなさそうです。
グラフを見ると、9ヶ月連続でミサイル発射実験が行われているのは、2019年以降はじめてです。

★★★

2. 今後の展開は

事実として、①発射実験対象ミサイルの内容が高度になってきていること、②発射実験の頻度が高くなってきていること、の2点がわかりました。
それでは、今後はどうなるのか?を考えていきたいと思います。

私の考えとしては、今後もミサイル発射実験は今後も継続するだろう、と思います。理由としては、このタイミングで、北朝鮮がミサイル実験を止めるような政治変動は特に発生していませんし、引き続きこのトレンドは続くのではないかと思います。

また、北朝鮮のミサイル技術向上に伴い、日本における北朝鮮のミサイル発射実験によるリスクは年々高まっていると言えるでしょう。北朝鮮の実験用ミサイルが日本上空を通過すると、大きなニュースになるのが常ですが、今後はそのようなことも増えるでしょう。

ちなみに、北朝鮮から発射されたミサイルが飛来した場合の対応が内閣官房のHPに掲載されていました。
要約すると「屋内に避難する」ことが鉄則のようです。万が一に備えて、あらかじめ目を通しておくのも吉です。

内閣官房|国民保護ポータルサイト

おわり

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