形容詞の接続 くて、で、し、だし
東京はきれいとおもしろい。
形容詞を学ぶと、生徒たちは早速二つ、三つの形容詞をつなげて 文をつくってこのような文をつくってくれるのですが、このように「と」を使ってつなげてしまいます。なぜこうなってしまうのでしょう?
答えは簡単ですね。「ケーキとコーヒー」のように、名詞を結ぶとき「と」を先に教えたからです。また、英語のandと同じように考えるからです。
そこで、形容詞の接続の仕方を教えなければいけませんが、またここで注意しないといけないことがあります。
山田さんは、おもしろくて、きれいです。
山田さんは、おもしろいし、きれいです。
どちらも正しいけど、ニュアンスが違いますよね。どう違うのでしょうか。
質問を考えてみるとわかりやすくなると思います。
1. どの人が山田さんですか?
2. 山田さんはどんな人ですか?
1の「どの人」の質問には、「おもしろくてきれい」、2の「どんな人」のほうには「おもしろいしきれいだし」の答えのほうがぴったりあうはずです。
「くて・で」は、
日本はどんな国ですか?→日本はおもしろくて、きれいな国です。 説明
日本はどうですか?→日本はおもしろいし、きれいだし、大好きです。感想
ほとんどの教科書は、「くて・で」のほうから教えますが、日常では意外と「し・だし」を使う機会が多いので「し・だし」を先に教えてもそれほど差し支えないと思います。大切なのは、その違いを説明できるかどうかだと思います。
英語の説明例
くて・で
● Multiple descriptive words are linked according to their type of speech.
● i-adjectives: change the い to くて 小さい → 小さくて
● na-adjectives and noun: add で 伝統的 → 伝統的で
し・だし
● To connect descriptive words that describe reasons or emotions, use し and だし (see next
page).
● i-adjectives: し → かわいいし
● Nouns and na-adjectives: だし → 親切だし
practical Japanese 2 より
この違いがはっきりするように、「くて・で」の練習の場合は、何かを説明して当てるというゲームをします。
最初に例として以下のような会話をいっしょに読みます。
生徒が会話の内容をよく理解したら、ボードやチャットボックスに説明すること「形・色・サイズ ~をたべます ~がすきです ~にいます」などを書いてあげると何を言うべきか、はっきりしていいと思います。
一方、「し、だし」のほうは、何かの理由として使うので、先ほどの例文のように「どうして~?」という質問文を提示すると答えやすいと思います。
まずは先生が例を示してあげます。
ピカチューがすきですか? はい。
どうしてですか? かわいいし、つよいし・・。
私の場合、初級者には「し・・。」で終わりにしてもいいと言っています。理由は「かわいいし、つよいからです」と最後を「から」に切り替えるのがちょっとむずかしいのと、「・・・」でフェイドアウトするのは会話ではよくあるからです。
「し・だし」の受け答えになれてきたら、Use 「からです」at the end of sentence for writing と言及しています。
生徒が答えやすいトピックを選ぶといいです。
例
その部屋はいいですか? 日本は好きですか? 日本に住みたいですか?
(彼氏・彼女の名前または好きな芸能人)をどうして好きですか? など
生徒に何が好きかまたは嫌いかを聞いて、その理由をきくと、盛り上がって楽しいと思います。答えるための語彙力が足りない人のためにあらかじめ形容詞のリストを見せておくのもいいと思います。
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