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詩#2 迷子

あなたがいないから
わたしはおいてきぼりにされた子ども
心細さに泣きたいけれど
唇をかみ せいいっぱい目に涙をためる

あなたがいないから
わたしはあなたの姿を人ごみに探しつづける
会えるわけないや とうつむくたびに
もしかしたら と希望をいだく

あかりが灯り また夜がきて
大人だから
ひとりで夕飯も食べ
歯みがきもして
十二時には眠りにつくのだけれど

ほんとうはわたしは
布団をけとばし 
はだしのままかけだして
わめいて あばれて
大声をあげて泣きじゃくる
わからずやの子ども

あなたの胸にたどりつくまで
他人なんていらない
世界なんてしらない


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