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詩#11 ハス

あわくにおうはなびらの白に
すっ と赤いすじがのび
それはふたつにわかれ
細くさらに細くへと入り組み
たちまち はなびらのふくらみを覆う

血管のように
白い肌を侵食し
透けて 滲んで
痛みさえ感じるのだ

そうして 
用心深く
誘うように
花の中心を隠す

ああ 雨があがる
空には垂直の雲
燕がひくく旋回する


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