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お父さんと私

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お父さんの病気と死とそれを乗り越える過程の記録。 大好きなお父さんに見つかった病気、逃れられない死。荒波のように揺れ動き、そして静かに穏やかになっていった私の気持ちや起きたことを…
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#最期の日

お父さんと私⑩ お父さんを看取る

旅館からの帰り道、映画を観て行く予定だったが、私は父のことが気がかりで、とても映画どころではなかった。 旅館を出たその足で、父に会いに行った。 実家には東京に住んでいる妹が来ていた。夕方には信州の方にいる弟も帰省するそうだ。 兄弟がいて少し心強い。母が、父が誰かといれるようにと、書斎に誰もいなくなると、「お父さんと一緒にいてあげてちょうだい」と言った。 書斎で寝ている父は、目は空いていたが、もう視点が定まっていないようだった。目には黄疸が出て黄色くなっていた。腕を何や

お父さんと私⑪ 父が亡くなった日

明け方母から電話が来た。 父がもう息をしていないので、亡くなったと思う。今先生を呼んでいるので、実家に来てくれないか、という電話だった。 ”理解”はしていたが、”受け入れることは難しい” いや、昨晩はとても落ち着いて、”受け入れて”いた。だから、恐怖に襲われず、眠りについた。 ”諦める”とは、”明らかに見る”こと。そんなことを誰かが言っていた。昨晩はそんな感覚だった。 けれど、母からの電話に私は涙がこらえられなかった。 電話を切ったあと、わんわん泣いた。 実家に