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『屈曲型腰痛』の基礎知識と疾患別特徴

こんにちは。こじろう( @reha_spine )です!

今回は第2回目の投稿をさせて頂きます!

前回は、

『腰痛の原因を突き止めるために必要な知識』

というテーマで、腰痛疾患をみる上で最低限
必要な知識について話をさせて頂きました。


そこで、前回の復習ですが、

まず腰痛患者をみる上で、大きく以下の3つに
トリアージすることが大切‼︎

と言いました。

①危険信号(red flags)を有し、重篤な   
 脊椎疾患の可能性がある腰痛
②神経症状を伴う腰痛
③神経症状のない腰痛


そこで今回は「③神経症状のない腰痛」の中でも
「屈曲型腰痛」について様々な視点から
屈曲型腰痛を解釈していきたいと思います。


診断のつきづらい非特異的腰痛において、屈曲時痛の評価を行い、そこから疑うべき病態の考え方について話をしていきたいと思います。


また、後半では屈曲型腰痛に特徴的な各障害について過去のCLINICIANのブログで投稿させて頂いた記事も合わせて掲載しています。ボリューミーにはなりますが、そちらも合わせて読んで頂けるとより理解を深めやすい内容となっています。

今回の記事は次のような方にオススメな内容になっています。

✅腰痛患者を治療する上でまず何からみていけばいいか分からない方
✅腰痛の原因に対する知識はあるが、情報をうまく整理できていない方
✅体幹屈曲時の疼痛メカニズムを知りたい方


では早速いってみましょう!!


▶︎屈曲型腰痛とは

動作による出現様式から主には
✅屈曲型腰痛
✅伸展型腰痛
に分類されます。

更に書籍や文献によっては、この2つが混在する混合型や回旋型腰痛、側屈型腰痛に分類されているものも見られます。


「屈曲型腰痛」とは、その名の通りで、
腰部や体幹を屈曲した際の腰痛を指します。 


屈曲型腰痛はスポーツ動作ではボート競技や自転車競技のような屈曲姿勢を維持したり、腰を落とした構え姿勢が不良であった場合などにも多く生じます。


今月の腰痛マガジンにて、
だいじろうさん(@idoco_daijiro)も屈曲型腰痛、伸展型腰痛について触れられていますのでぜひ、こちらもご覧下さいね。

基本的には、十分な問診と身体所見から腰痛の原因を推察し、画像診断も加えながら更に絞っていくと考えやすいと思います。


▶︎体幹屈曲時の運動学

では、体幹を屈曲した際の運動学について少し触れていきます。

まずは、胸腰椎の可動域についてです。

【胸椎可動域】    【腰椎可動域】
屈曲:30-40                          50° 
伸展:20-25°                        15°

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また、立位での前屈において腰椎と股関節に
着目して見ると以下のような数字になります。

【膝を伸展位で手が床につくよう前屈した場合】
腰椎屈曲40°     股関節屈曲70°

また、各椎間の可動量に関しては、以下のようになります。

【椎間の腰椎屈伸可動量】
L2/3が最大でありが6,4°、
L4/5が最小で平均2,4°という報告があります。

※しかし、各椎間の屈伸可動量には差がないとの報告もあることを留意しないといけません。


これらを知る上での臨床的な意味合いとしては、股関節や胸椎などの屈曲可動制限により腰椎の屈曲が過剰になると、後方の靭帯や線維輪の後部、椎間関節包、胸腰筋膜などが過伸張になったり、椎間板や椎間関節に対する応力が増大する、という事です。

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