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気温分布図から見える世界の地形

突然ですが問題です。

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(気象庁ホームページより)

日本の「最低気温ランキング」において、北海道以外で唯一トップ20にランクインしている都道府県はどこでしょう?



正解…





…を発表する前に、今日のタイトルにもある気温分布図の話をしようと思う。


iPhoneをiOS15にアップデートしたことで、色々な機能が刷新されたが、その中で最もテンションが上がったのがこちら。

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天気アプリ

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左下の部分をタップすると、

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世界地図が表示されて、世界各地の現在の気温が一目で分かるようになった。

これは非常に楽しい。

地図を眺めたり、世界各地の気候を調べたりするのが好きなぼくのために搭載された機能といってもいい。
これを眺めるだけで軽く1時間は潰せる。

隅々まで見てみると、面白い発見がたくさんあったので共有してみようと思う。

それでは世界一周の旅へLet's go!


まずは、日本から。

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日没後、1〜2時間といったところ。

北海道、東北が寒い。
東日本が全体的に寒色になっていて、日本アルプス奥羽山脈の影響が見て取れる。

関東地方を拡大してみると…

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くっきりとわかりやすい。

山に囲まれた平野であることが一目瞭然だし、夜になっても熱を持ったままなのはヒートアイランド現象の影響なのだろう。

日中の東日本の様子はこんな感じ。

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関東の気温が高いのは納得だが、新潟県も赤くなっているのが面白い。
新潟県は越後平野が広がっているので、周囲の山がちな地形と見事なコントラストが生じている。
「広大な平野がある→広範囲で稲作ができる」ということで、新潟県が日本屈指の稲作地帯である秘密が垣間見れた。

視点を少し南にずらす。


沖縄県と台湾

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沖縄が暑いのは納得。

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しかし、沖縄よりも南にあるはずの台湾は青色が多い

台湾は九州本島と同じくらいの大きさしかないが、内陸部は険しい山脈が連なっている。
台湾最高峰の玉山標高3,952m
日本が台湾を統治していた50年間(当時の名称は新高山)、富士山は日本一の座をこの山に譲っていた。

視点をさらに南にずらす。


オーストラリアとパプア島

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南半球に位置するオーストラリアは現在、日本とは逆の季節なので、シドニーやメルボルンは寒い。
一方で、大陸北部は赤道に近いため常夏の気候になっている。
内陸部は砂漠が広がっているため、

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日中はかなり厳しい暑さになっていることがわかる。

さて、2つ上の写真で丸く囲ったパプア島
赤道直下でありながら横一直線に青い帯ができていて、山岳地帯であることが予想できる。

パプア島の西側、インドネシア領にあたる部分には標高4,884mのジャヤ山がある。
ちなみにパプア島はオセアニアに属するため、ジャヤ山はインドネシア最高峰でありながら、東南アジア最高峰ではない、という奇妙な状況になっている。
東南アジア最高峰は、マレーシアのキナバル山(標高4,095m)。

さて、お次は視点を東に移して、太平洋へ。


ハワイ

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太平洋上の中央右端に、小さな青い点が見える。
拡大すると、

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みんな大好きハワイである。

ハワイといえば火山島ということで、最高峰のマウナケア山(標高4,205m)を筆頭に山がちな地形になっている。
だから涼しい。
まあ、深夜だからってこともあるだろうけど。

さらに東へ旅を続ける。


南米

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南アメリカ南端はパタゴニアと呼ばれ、世界で最も南極に近い地点の一つ。
だから、当然寒い。
西海岸は標高6,000m級の山がそびえ立つアンデス山脈
チリの国土が縦に細長い理由がすぐに理解できる。
急峻な山々が自然の国境を作っているのだ。

また、南米北部(カラカスのちょっと下)も青色になっていて、ここがギアナ高地だとわかる。

チリの北部にはアタカマ砂漠という世界で最も乾燥した砂漠があり、

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日が昇ると気温が上がるという、実に砂漠らしい気候になっている。

次は北上する。


中北米

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全体的に気温が低い。
シカゴ〜ダラスあたりの中央平原はやや赤くなっている。
メキシコも高原の国らしく、全体的に青色だ。

カリフォルニア湾が際立って赤くなっているのを発見。
陸と比べて、海は温度の変化が少ないことの証なのだろうか。
中北米に限らないが、海と陸の境目はかなり明確になっている。

それではそのまま大西洋を渡ってみる。


ヨーロッパ

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地中海の赤色アルプス山脈の青色がコントラストになっている。
地中海は緯度的には日本の東北地方と同じくらいだが、年間の気温の変化は九州南部と似ている。
アルプス山脈が色で浮かび上がったことにより、イタリアの北の国境が可視化できる。
国境で言えば、イベリア半島の付け根にあるピレネー山脈も明らかで、スペインとフランスの国境が一目瞭然だ。

次は南下しますよ。


アフリカ

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予想通り、昼のアフリカは灼熱地獄だ。
しかし、大陸の東部に青い地点が見える。
拡大してみると…

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エチオピア高原。
赤道近くにありながら冷涼な気候で、首都アディスアベバの年平均気温は16度
エチオピアといえばコーヒー
エチオピアはコーヒー発祥の地と言われている。
エチオピアの羊飼いが、赤い実を食べた羊の群れが活発に動き回るようになったのを発見したところから、コーヒー飲用の歴史が始まったとされている。
ちなみに、その羊飼いの名前はカルディという。

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深夜のアフリカ大陸やアラビア半島はかなり気温が下がっていて、いかにも砂漠らしい気候なのだ。

世界一周の旅はいよいよ最後へ。


インド

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インド北部に、一本のラインがくっきり見える。
ヒマラヤ山脈だ。
このラインに感動したのが、このnoteを書くきっかけになった。

また、南部よりも北部の方が気温が高いのが面白い。
南部の半島部分は海からの風が抜けるため、気温の上昇が抑えられるのだろうか?
首都のニューデリーを含む北部は冬になるとかなり寒くなるらしいので、冬にもチェックしてみたい。
常夏の南部とのコントラストが逆転すると思うと興味深い。


これにて、世界一周は終了。
お付き合いありがとうございました。

写真をたくさん載せて長々と書いてきたが、結論は、

山は寒い。

当たり前だろって感じだが、こうやって気温分布図で見てみると、くっきりと可視化できて非常に面白い。





というわけで、冒頭の問題の答え合わせ。
覚えてました?

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北海道以外で、唯一ランクインしている都道府県は…



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静岡県でした。



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今日のnoteをじっくり読んでくれた人なら簡単にわかりましたね?

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