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フローレス島②

2018/3/27

コモドツアーには前日のうちに申し込んでおいた。
約束通り早朝の5時に指定の場所に行くも、誰もいない。
時間にルーズな国民性ゆえ、のんびり待っていたが、なかなか誰も現れない。

30分くらい経って、ようやくツアー会社(といっても掘立小屋の小さなお店)のお兄さんがやってきた。彼はぼくの姿を見て言う。

「もうボートは出たよ」
「???」

ぼくは拙いインドネシア語で一生懸命説明する。

「ちゃんと5時にはここで待ってたよ。もう出たってどういうこと?」
「だから、もうボートは出発したんだって」

いっこうに埒のあかない問答にぼくはイライラしていた。
すると、お兄さんが手元の腕時計を見せてくれた。

「ほら、もう6時半だろ。とっくにボートは行ってしまったよ」
「???」

自分のスマホの時計を確認する。

5:30

ぼくはようやく理解した。
ジャカルタとフローレス島は1時間の時差があるのだが、スマホの時計がそれに対応していなかったのだ。
ちゃんと朝の5時に待ち合わせ場所に来たと思っていたが、実際は6時だったということだ。
ポンコツスマホめ。

自分のミスなのに、勝手にイライラして申し訳ないことをした。
ツアー会社の優しいお兄さんは、料金の追加徴収なしで翌日のツアーに参加しても良いといってくれた。本当にありがたい。

しかし、困ったことになった。
というのも、この旅のスケジュールは結構タイトだったからだ。
1週間後のマウメレ〜ジャカルタの航空券を予約している。仕事の都合上、それ以上休暇を伸ばすわけにはいかない。
つまり限られた時間の中で、ラブアンバジョからマウメレまで移動しなくてはいけないということだ。

本当は翌日の午前中には、隣の町に向けて出発する予定だった。
ラブアンバジョで延泊するとなると、そのあとの旅のスケジュールに余裕がなくなってしまう。コモド島観光の拠点として有名なラブアンバジョは旅の情報がたくさんあるが、山間の集落となると宿泊や移動に関する情報は極端に少ない。ノーミスでマウメレまで行けるかどうか怪しいのだ。

しかし、ラブアンバジョまで来てコモド島に行かないのもおかしいし、あとで激しく後悔することになるだろう。
そこでぼくは、ラブアンバジョで延泊することを決意した。

急に暇になってしまったので、通りを走るバイクタクシーをチャーターして、郊外の滝に出かけた。

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まあ、それはそれで楽しかった。


つづく

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