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インドネシアの大統領選挙

昨日、間も無く訪れる衆議院選挙に関する話を書いた。

選挙にちなんで、本日はインドネシアの大統領選挙の話。


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ぼくがインドネシアに住んでいた時に大統領選挙があった。
2019年4月17日の話だ。

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↑当時のdoodle。
投票者の服装や肌の色が多様で、多民族国家のインドネシアらしいイラスト。

そんなインドネシア🇮🇩の大統領選挙にまつわるエピソードをご紹介。


有権者数2億人弱

インドネシアでは17歳以上に選挙権が与えられている。
人口自体が多いため有権者数も相当の数になるが、驚くべきは有権者の半数以上が30歳以下であること。
有権者数で見ると、世界最大規模の大統領直接選挙ということになる。


小指の紫インク

投票が終わった人は小指の先に紫色のインクを付ける。
これは水で洗ってもなかなか落ちづらいらしく、けっこう目立つ。
本来は二重投票を防止する目的だが、このインクを利用したさまざまなキャンペーンが展開される。
たとえば、大手ドーナツチェーン店のJCOなどでは、小指のインクを見せると商品が割引になる。
また、指を見ただけで選挙に行ったかどうかが分かってしまうので、それだけでも選挙に行くきっかけになりそう。


暴動

選挙の結果によっては暴動が起こる可能性もある。
2019年の大統領選挙は、当時現職のジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)とプラボウォ・スビアントの一騎打ちだった。
穏健なジョコウィに対して、過激な発言が目立つ元軍人のプラボウォは「インドネシアのトランプ」とも称されていた。

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↑ジョコウィ大統領。オバマ似。

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↑インドネシアのトランプこと、プラボウォ氏。

結果はジョコウィ大統領の再選で幕を閉じたのだが、平和には終わらないのがインドネシアである。

首都ジャカルタで、敗れたプラボウォ氏の支持者が選挙の不正を訴えて、抗議デモを起こした。
平和的にスタートしたデモだが、次第にヒートアップし、ついには警察官と衝突する事態に。
最終的には、死傷者も出る激しい暴動となってしまった。

写真出典 https://www.businessinsider.jp/post-191495

選管職員が過労死!?

2019年の大統領選挙は、インドネシア国民議会選挙との同時開催だったため、選挙管理委員会の職員や警察官は多忙を極め、500人以上が過労死したと報じられた。
信じがたい報道だが、日本の2倍以上の規模の選挙であることを考慮すると、あり得る話なのかもしれない。
また、広い国土に多くの少数民族が暮らすインドネシアでは、急峻な山岳地帯やジャングルの奥地などへ、職員が歩いて投票箱を持って行かなければいけない場合もあり、そういった冒険の最中に命を落としてしまった可能性もある。


以上、インドネシアの大統領選挙エピソードでした。
暴動が起きたりと、政治的に不安定な面もクローズアップされるが、裏を返せばそれだけ市民の政治への関心が高いということ。
小指の紫インクといったユニークな取り組みは、投票率の低い日本でも参考になりそうですね。

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