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フローレス島⑤

2018/3/30

午前中、バジャワに向けて出発。
ラブアンバジョでの失敗により、各集落には1泊ずつしかできない。

ルーテンもバジャワも小さな村のため、往来する人数は少ない。
前日とはうってかわって、乗合ワゴンは少人数で快適だった。

バジャワへの道中、珍しいものを目にする。

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ちょうどイースターの時期で、宗教関連のイベントをやっていたのだ。
キリスト磔刑を再現しているのか、クリスチャンが多いフローレス島ならではの光景である。ジャカルタでは決して目にすることのできない希少な体験だ。
イースターの時期を狙って旅をしたわけではないが、幸運にも他民族多宗教国家インドネシアの奥深さを垣間見ることができた。

昼頃にはバジャワに到着。
バジャワの郊外には温泉があるということで、安宿の主人に「温泉に行きたい」と言ってみた。
すると、黙ってバイクの鍵とヘルメットを手渡される。
小さな集落にタクシーはない。自分で行けということなのだろう。
白状すると、ぼくはバイクに乗ったことがない。人生で一度もない。自動車免許は持っているので、原付は運転できるわけだが、そういう問題ではない。エンジンの掛け方すら知らないのだ。
しかし、歩いて行ける距離でもなく、自分で運転して行かざるを得ない。
そこでググってなんとかバイクを動かすことができた。

温泉まではけっこう遠かった記憶がある。低速の安全運転だったからというのもあるが、バイクでも1時間以上はかかったような気がする。
途中、電波の届かない山奥でバイクがうんともすんともしなくなってものすごく焦ったが、いろいろいじったら動くようになった。

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温泉はどこからともなく湧き出ていて、川になって流れていく。
湯温はそこまで熱くはなく、長時間浸かっていられる。公園としてしっかり整備されているので、安心安全である。
写真にはたまたま誰も写っていないが、近隣の住民にとって憩いの場になっているようだ。

温泉を満喫して帰る途中、スコールにやられる。
山奥である。全身ずぶ濡れになるととても寒い。ガタガタと震えながら、慣れないバイクを操って宿まで帰った。
すぐに温かいシャワーを浴びようと思ったが、安宿だからかお湯が出ない。しょうがないので水シャワーで軽く体を流して、毛布にくるまって寝た。
初めてのツーリングは残念ながら楽しい思い出にはならなかった。
幸い風邪をひくことはなかったが、インドネシアで寒さに震える経験をしようとは思ってもみなかった。


つづく

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