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海外では〇○に気をつけよう

旅の話をしていると、「危険な目にあったことは?」と聞かれることがよくある。

バックパッカースタイルで東南アジアを旅することが多いので、旅の武勇伝的な話を期待されるわけだが、幸運なことに犯罪に巻き込まれたことはない。
正体不明のおじさんに絡まれたり、怪しいお兄さんに「ハッパアルヨ」と声をかけられたりすることはあっても、絶対に関わり合うことはなかった。
ぼくは極度の小心者なのでトラブルの芽は即効で摘み取っていたし、事前に徹底的に調べ上げて安全だと確信しなければ冒険をすることもなかった。

そんなぼくだけれど、よくよく思い出してみると「これは死ぬかも」と思ったことが一回だけある。

それは、タイ🇹🇭の古都アユタヤでの出来事だ。

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世界遺産にも登録されているアユタヤ遺跡群は、広範囲に仏教史跡が点在している。
そこで、ぼくは駅前でママチャリをレンタルして観光することにした。


これは完全に余談なのだが、アユタヤにある石像のほとんどは顔がない。
他王朝からの侵略を受けて破壊されてしまったからなのだが、石像の前にはこんな注意書きがある。

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日本語でのみ書かれているというのがポイントで、観光地で顔がないものを見るとついつい自分の顔をはめてしまう日本人の習性をよく表している。

これは信仰心が薄いとかそういうことではなくて、いかに観光地の顔はめパネルに日本人が洗脳されているかということだ。


閑話休題。

レンタルしたママチャリで炎天下のアユタヤをぐるぐる観光していたのだが、命に危機が迫ったのは路地に迷い込んだときだった


ぼくの命を脅かしたものの正体、それは野犬だ。


どうやら野犬の縄張りに侵入してしまったようで、数匹の大きな野犬が突然ぼくを追いかけ始めたのだ。
明らかに敵意を剥き出しにした彼らは、ギャンギャン吠えながら迫ってくる。
本気で命の危険を感じたぼくは、ぼろいママチャリを全力で漕いだ。

いくら自転車とはいえ人間の脚力が犬に勝てるわけもなく、じりじりと差を詰められ、万事休すかと思われたとき、救世主が現れた

民家の前のベンチに座って井戸端会議をしていたおばあちゃんたちだ。

そのうちの一人のおばあちゃんが一声「ヴンンッ‼︎」と威嚇すると、獰猛だった犬たちは「くぅぅん…」と尻尾を丸めて帰っていった。

おばあちゃん、つよ。


ちなみにアユタヤでは、駅で2匹の大きな野犬が喧嘩している場面にも遭遇していた。
互いに噛みつきあって血だらけになっていた2匹は、駅の端から端まで行ったり来たりするものだから、ぼくは生きた心地がしなかった。
そんなわけで、ぼくの中では「アユタヤ=獰猛な野犬が多い場所」という認識になっている。


野犬の脅威をもう少し詳しく説明すると、それは狂犬病の恐ろしさに由来する。
このウィルスをもった動物に噛まれ、発症した人間はほぼ100%死亡する。

犬へのワクチン接種が徹底した日本ではこのウィルスは根絶しており、他に「狂犬病清浄地域」に指定されている国は、オーストラリア、ニュージーランド、ヨーロッパの一部の地域と少数しかない。

つまり、海外旅行中は野生動物にむやみに触らないようにして、万が一噛まれた場合はすぐに医療機関でワクチンを接種する必要があるということだ。

狂「犬」病という名前ではあるが、あらゆる哺乳類が感染しうる病気なので、可愛い野良猫やリスなどに出会っても十分に注意しないといけないのである。


教訓
海外では野生動物に気を付けよう。

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