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タミル・ナドゥ満喫ツアー

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2022/3/15~3/30。 南インドのタミル・ナドゥ州をざっくり1周した旅日記。
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タミル・ナドゥ満喫ツアー 初日 チェンナイ  → クンバコーナム

朝6時半のバスで出発。 事前に予約していた直通バスで、客は少なく快適だった。 座席もふかふかだったが、リクライニングは調整できなかった。 田園風景の中をひた走る。 出発から4時間後、10時半にチダンバラン(Chidambaram)に到着。 田舎町。 12世紀に建立されたナタラージャ寺院(ナタ=踊る、ラージャ=王様)というヒンドゥー寺院が有名で、州外からも多くの巡礼者が訪れるという。 東西南北の4カ所に、立派なゴープラム(塔門)がある。 中心に本堂があり、その周りは

タミル・ナドゥ満喫ツアー 2日目 クンバコーナム → タンジャーヴール

午前中はまず、クンバコーナム市内から車で15分ほどのところにある世界遺産、アイラーヴァテシュワラ寺院(Airavateshvara Temple)へ。 12世紀半ばの建立で、チョーラ朝随一の完成度を誇る。 牛さん。神様の乗り物。 市内に戻って、昨日の寺院巡りの続き。 街中で適当に写真を撮っても、どこかしらのゴープラム(塔門)が写り込んでしまうのではないかというほど、クンバコーナムはヒンドゥー寺院が多い。 古代インドの大長編叙事詩『ラーマーヤナ』の壁画があるのだが、ストー

タミル・ナドゥ満喫ツアー 3日目 タンジャーヴール → ティルチラパッリ

3日目は外で朝食を食べてみる。 普段は朝食を食べないことが多いので、こういう食堂で朝食を摂るのは初めて。 三角形のものがサモサで、右側のものの名前は忘れた。 それとチャイ。これで大体20ルピー(30円)くらい。 腹ごしらえをしたところで、タンジャーヴール市内の王宮へ。 王宮といっても、あまり整備はされていない。 子犬。 王宮の敷地内には、小さな博物館がいくつかある。 チルおじさん。 王宮にもナンディー像。 ところで、王宮の横に学校があって、中を見学させてもら

タミル・ナドゥ満喫ツアー 4日目 ティルチラパッリ

本日は、この旅初めての「ノー移動デー」。 現在、タミル・ナドゥ州中部の要衝ティルチラパッリ(Tiruchirapaalli)に2泊している。この街は市域が広く、1日だけでは到底回りきれないと判断したからである。 ティルチラパッリは南から、近代的なオフィスビルが集中する新市街、地域全体が大きな市場のようになっている旧市街、インド最大級の大きさを誇るヒンドゥー寺院を中心に形成された門前町の3エリアに大別される。 ホテルは旧市街にあるのだが、門前町まで足を伸ばしてみることにした

ティルチラパッリの動画集

タミル・ナドゥ州中部の要衝、ティルチラパッリ(Tiruchirappalli)。 面白い動画がたくさん撮れたので、まとめてリンクを貼り付けます。 1, ティルチラパッリの祭事 2, 夕刻のロック・フォート 3, ティルチラパッリの朝 4, ティルチラパッリの旧市街を歩く 5, 南インドの謎ドリンクの作り方 6, ティルチラパッリの市場

タミル・ナドゥ満喫ツアー 5日目 ティルチラパッリ → ラーメーシュワラム

Happy Holi ‼︎ 本日は、日本でもよく知られたインドの色かけ祭り、ホーリーの日。 ただ、これは北インドを中心に行われる祭りだそうで、南インドではいつも通りの朝を迎えた。 ホーリーは春の訪れを祝う祭りで、年中春以上の気候の南インドでは、春の訪れも何もないからだろう。 ホーリーに参加できなかったのは残念だが、祭りの混乱に乗じた犯罪なんかもあるそうで、今日は南インドだからこそ安全に旅ができるのである。 その代わり、次の目的地でとんでもない奇祭に遭遇したのだが、とりあ

タミル・ナドゥ満喫ツアー 6日目 ラーメーシュワラム → マドゥライ

昨日の晩に目撃してしまった奇祭の衝撃が強すぎたせいだろう。 ナーバスになってしまい、あまりよく寝付けなかった。 世界に体を痛めつける祭りがあることは知識として知っていたが、実際にその光景を目の当たりにすると、あまりの不条理さ(当人たちにとっては意味のあることなのだろうが)に混乱してしまった。 ラーメーシュワラム観光の目玉は、夜明けの沐浴場である。 夜明けの1時間前に起きて、宿から程近い沐浴場に向かう。 早朝5時半。 もう多くの人が集まっている。 人が多い分それなりに騒が

タミル・ナドゥ満喫ツアー 7日目 マドゥライ

昨日はマドゥライに着いてから、何も観光せずにホテルにこもっていたら、いくらか体調は回復した。 体のだるさは消えたのだが、お腹の調子はすこぶる良くない。 軽い二日酔いのような感じで、胃の底に何か不快なものが滞っている。 比較的あっさりした味付けの南インド料理でも全く食べたい気分にならず、かといって街の食堂やレストランではインド料理以外の選択肢が少ないので、結局何も食べる気にならない。 普通に外を歩けるようにはなったので、少しだけホテルの周りを散策してみた。 いかにもインドの

タミル・ナドゥ満喫ツアー 8日目 マドゥライ

涼しい午前中のうちに観光を済ませてしまうと思い、8時にホテルを出る。 まだまだ人通りは少ない。 道端に座り込んで、3人くらいでおしゃべりしているおじさんたちは良く見かけるが、これだけ大所帯なのは初めて見た。楽しそう。 昨日は混み合っていて断念したミーナークシ寺院に入ってみる。 スマホを含む全ての所持品の持ち込みが禁止されていたので、内部の写真はなし。 なぜか厳重に警護されている。 お次はガンジー記念館へ。 ガンジーと野良犬。 【7つの社会的罪】 1, 原則なき政

タミル・ナドゥ満喫ツアー 9日目 マドゥライ→ カニャクマリ

ついに、この旅最大の目的地であるカニャクマリ(Kanyakumari)まで移動する。 カニャクマリはインド最南端の地で、太陽が海から昇り、海に沈むインド唯一の場所である。 アラビア湾、インド洋、ベンガル湾が合流する場所で、ヒンドゥー教の聖地の一つとなっている。 カニャクマリまでは列車で移動する。 インド旅初の長距離列車だ。 ↑マドゥライ駅。 インドの駅には国旗が掲揚されている。 チケットは昨日のうちにネット予約していた。 紙のチケットに交換する必要があるのか分からなか

タミル・ナドゥ満喫ツアー 10日目 カニャクマリ

インド最南端のカニャクマリは、海から登る朝日と海に沈む夕日を見られるインド唯一の場所。 というわけで、夜明け前に起きて海岸まで行ってみる。 よく見たらこの漁船…… 舳先(へさき)に顔が描いてある。かわいい。 モヤがかっていて、ちょうど水平線から顔を出すところは見られなかった。 ベンガル湾、インド洋、アラビア湾、3つの海の合流地点は豊かな漁場になっているのだろう。立派な魚が水揚げされていた。 モスクっぽい建築様式の教会。 午前中の涼しい時間帯に、ガンジー記念堂へ。

タミル・ナドゥ満喫ツアー 11日目 カニャクマリ → 夜行列車

夜明けの1時間前に起きて、沐浴場まで行く。 まだ真っ暗だが、すでにたくさんの人が集まっている。 後ろの門が沐浴場の目印。 夜明けを待ち望む人たちでごった返している。 マジックアワー。 日の出の時刻を迎えるが、今日も水平線には靄がかかっていて、太陽の姿は見られない。 不意に、沐浴場がどよめく。 顔を上げると、赤くて丸い太陽が雲の切間から顔を覗かせていた。 まるで、赤と丸のイデアだ。 真剣に祈りを捧げる人。写真やビデオを撮影する人。 思い思いの朝を迎える。 今晩はつ

タミル・ナドゥ満喫ツアー 12日目 夜行列車 → メットゥパラヤム

夜行列車は定刻より少し早く、朝の7時過ぎにコインバトール(Coimbatore)に着いた。 インドでの初めての夜行列車だったが、快適に眠ることができた。 貨物の扱い方がインドクオリティー。 コインバトール駅には蒸気機関車の置物がある。まるで新橋駅みたいだ。 コインバトールはマドゥライと同規模で、チェンナイに次ぐ大都市。 駅前にはビジネスホテルやレストランが立ち並んでいて、日本の地方都市のようだった。 今回の旅において、コインバトールは目的地ではなく、通過地点にすぎない

タミル・ナドゥ満喫ツアー 13日目 メットゥパラヤム → ウーティー

今回の旅のクライマックス、ニルギリ登山鉄道に乗るため、早朝に駅へ向かう。 駅にはすでに蒸気機関車がスタンバイ。 客車はわずか4両だけの小さな列車である。 すでにたくさんの人が集まっている。 この鉄道、蒸気機関車が客車を「押す」スタイル。 で、ここでトラブル発生。 指定席の番号を確認しようと思って、ネット予約時に受け取ったSMSを駅員さんに見せたところ……。 「君、これウェイティングリストだよ。キャンセルが出なかったら乗れないよ」 なんと! 実はぼくが乗車券を予約し