私にとっての山歩きとは
クオリティの高い登山ブログは世の中にた〜くさんあるので、登山者としては万年初心者の私が、登山の技術を提供するような記事は書けない。
でも冬の休日の早朝の電車には、極寒の中わざわざ重いザックを背負い、明らかに山へ行く(物好き・ストイック・Sの気がある⁉️)というスタイルの人の数は少なくないのをみると、個々にいろんな意図をもって山へ向かうのだろうな、と思いを馳せるのである。
これから山歩きや登山前後の美味しいものなどの記事を書こうと思っているその前に…あらためて気がついてしまった。
年末年始の数日間に3回も山歩きをした私にとって、山歩きは”生活の一部”になりかけていたと思っていた。でもちょっと違うのだ、と。
言うなれば”自分の心を解放し、自然体に戻る時間”ということか。。
本当は、登山技術のステップアップのための講習会へ参加するはずだった。
夏のチャレンジ登山を不安なくできるように、冬の間から準備しようという計画。
普段の山行きであれば、仮に近場の低山であっても2、3日前から高揚感があり仕事も頑張ろう!となるのに、今週かなり疲れていたこともあり前日に準備が出来ないまま寝落ちしてしまった。
当日朝は何とか起床し、朝食をとり水筒の準備までしたものの、それ以上どうしても動けず…参加を断念することになった。
お天気のせい?(雨の予報だった)
体調のせい?(疲労感が強かった)
それとも??
頭の中が「?」マークでいっぱいになりながら、全力でブレーキをかけた自分自身に「なんで?」と問うと
今日はあったかくしてのんびりしたい
雨のなかがんばりたくない
本を読みたい・図書館に本を取りに行きたい(予約本が届いてました)
気を遣いたくない
というような心の声がした。そして気がついた。
多分、最後の「気を遣いたくない」が1番の理由。
参加費が・・・
講師の方も有名な方・・・
いつも自己流のスキルを確認できる貴重な機会・・・
それらを逃すなんてもったいない、という気持ちを吹っ飛ばすくらい、
周りへの気遣いを避けたかった今日の私。だったのです。
山へ行くこと・登ることに全ての意味があるわけではなくて、
あくまで”マイペースで過ごす時間”としての山歩き、だったようです。
それ以前に、そこまで疲弊する前に自分の心を元気にしていきたいものだとも思う。
山歩きを始めた当初は、怖がりの自分がどのくらい登れるか見当もつかなったので、モンベルの講習会に2、3回参加した。その後も自分にとってステップアップだと感じる行程はグループでまず経験した方がいいと思い、ツアーに申し込みはするものの、日が決まっているときに限って多忙であったり荒天だったりでタイミングが悉くあわず、キャンセルが続いた。
最近の週末登山は、朝起きて「行く?行かない?」と自分に聞いてGOサインが出たら出発する、その繰り返しだったかも。
(一方で、宿泊を伴う夏の山行はちゃんと行けるところが不思議⁉︎)
無理して登り、その後の生活や仕事に影響がでることをかなり恐れている。山はあくまでプライベートの範囲で、と決めてしまっている自分がいる。それもちょっとモヤモヤ…一昨年から少しだけステップアップできたこともあり、本当はもっとのめり込みたいとも思っている。
あの人が紹介してくれているあの素晴らしい山の景色を、自分も見てみたい。訪れたことのない山域に足を踏み入れてみたい。そこで自分が何を見てどう感じるのか…想像するとワクワクする。
でも、そもそもマイペース登山の多い自分にとって、行き先の幅を広げて安全に登山を行うには技術向上がどうしても必要になる。そこで申し込んだ今回の講習会であった。
うん、講習会はシリーズで続くので、次は参加しよう。参加できるように整えていこう。そう思った。
特別な場所①:上高地
今後、山を始めるきっかけや、好きな場所についても振り返って書いていこうと思う。
私にとって特別な場所のうち、今回は上高地について少し書いてみる。
トップの写真は、有名な河童橋から少し奥に入った小梨平という場所からみた穂高連峰である。
大人になって上高地をじっくり散策したのは、もう20年前の初秋。妊婦だったので散策がメインだったが、何も知らずに訪れた岳沢湿原に完全に心を奪われた。
湧水が豊かにそこにあるのに、水が流れる音はなく、カモが静かに水面を滑るように泳いでいる。ただひたすらに静寂がそこにあった。
野鳥のさえずり、風が木々を揺らす音…それだけが時々聞こえる。
空気の流れが静かに私の中を通り抜ける。
自分が透明になって自然と一体になり、ただそこに在るという感覚。
ずっとここにいたい。そう思った。
それ以降しばらく忘れていたが、その数年後、幼稚園生の子供を連れて訪れた。(そのとき、家族の大きな問題を抱えていた)上高地の美しい自然は変わらずそこにあって…初めて明神まで足を伸ばした。
明神池にも、神が宿る静寂がそこにあった。
上高地は、すっかり特別の場所になった。
その後、山歩きを始めるのだが…それはまた後の投稿で書きたいと思う。