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仏具紹介『仏器』

今回紹介する仏具は『仏器(ぶっき)』です。『仏飯器(ぶっぱんき)』と呼ぶこともあります。

これは皆さんも一度は見たことがあると思います。

そうです。ごはんを丸く盛ってお供えするとってもメジャーなヤツです。

コイツは仏具の中で、かなり重要な使命を持っています。なにせ本尊さんにごはんを食べていただくための容器なのですから。

すべての宗派に仏器は必要です。本尊さんの前に置くものなので、それなりに良いモノを準備しましょう。

「ごはんをお供えしてください」と言うと、「毎日ごはんを炊くのはしんどいです」という人がたまにいます。

無理して炊かなくてもいいです。炊いたときだけお供えすればOK。「毎日のお供えは無理のない程度で」これが基本です。続かないと意味がありません。

腹の出た仏壇屋の店長は「朝ごはんにパンを食べる家ならパンをお供えしたらいい」と言っていましたが、仏器の上にパンをのせるのは見た目的にどうかと思います。

見慣れないモノを目の前に置かれた本尊さんの気持ちにもなってください。「なんやねんこのモフモフしたヤツ……まあ、食うけど」となるに決まっています。

ちなみに真宗大谷派(お東さん)は円柱型にごはんを盛ります。関口メンディーの髪型を想像してもらえるとわかりやすいです。

毎日メンディーにするのも面倒くさいので、法要のときだけでいいと思います。住職が来たときだけ綺麗なメンディーにしましょう。

仏器は絵像の数だけ必要とされています。絵像というのは人物が書かれた掛け軸です。浄土真宗でも本願寺派(お西さん)の掛け軸は字だけの場合が多いですが、お東さんは両端に親鸞さんと蓮如さんがいることがあります。

そのときは仏器が三つ必要ということです。お東さんなので、メンディーが三つですね。メンディー三つとなると相当負担ですが、頑張ってください。

ある真言宗の坊さんは「大日如来、不動明王、お大師さん(空海)、あとは位牌の数だけごはんを供えてください」という人がいました。

不動明王がごはんをかき込んでいる姿は想像できませんが、それはともかく、この人の話によれば位牌が10本あれば掛け軸用と合わせて仏器が13個必要ということになります。めちゃくちゃです。貧乏な人なら破産しますし、お年寄りなら朝のお供えだけで力尽きます。

こんな住職もたまに存在するので、話半分に聞いておいて毎日無理のない程度で、「住職が来たときだけきちんとする。怒られるから」という精神でお供えするのが良いと思います。

#エッセイ #仏壇 #仏具 #メンディー

働きたくないんです。