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「カフェにはマックがよく似合う」?
前々から不思議に思っていたのだが、カフェでマック開いてタカタカタカタカしている人はなにをしてんだろうか。
マック持って行くとコーヒー一杯無料になったりするんですか?
マックからカフェに行きたくなる電波でも放出されてるんですか?
「違います。カフェで仕事してんです」
とか言うかもしれない。
でも、私は知ってる。
純喫茶とか個人経営カフェにはマック開いている人はほとんどいないということを。
マック開いてる人は「ガラス貼り」の「通行人が多い」、「チェーン店」にしかいない。ドトールとか、スタバとか。
え? もしかして……
カッコつけッスか?
だって純喫茶でやればいいじゃん。ゆったりできるし、人もそんなにおらんよ。常連のオッサンの声はイヤにデカいけど。
駅地下のチェーン店なんか、人だらけ。通行人やたら多いし、落ち着かんでしょう。
「カフェでスタイリッシュにマックいじってるオレを見ろ」的な? 純喫茶は結構人通りの少ないところにあるし、外から中は見えないから誰も見てくれないもんね。
もう一個気になることがある。
なぜマックなの?
ダイナブックとかバイオとか、もっと言えばエイスースとかでもいいんじゃないの?
カフェで開くのは絶対マックですよね?
「このリンゴマークを見て。シャレオツだろ?」的な? エイスースではシャレオツ感は出ないですもんね。
ふふふ。
最近はカフェマックが多すぎて、もはや「おあつらえ向きの風景」になりつつありますよ。
「おあつらえ向きの風景」というのは太宰治が(こういうところで太宰出す私もシャレオツでしょ)、『富嶽百景』という作品の中で、「いかにもな感じの富士山が見えてきて恥ずかしくなった」ことから、こういう風景をおあつらえ向きの風景とし、ちょっと批判めいて書いている。
「いかにもな感じの富士山」というのは、海外で発売されている『トラベル・ジャパン』の本の表紙になっているような風景を想像してもらえればわかりやすい。
スタバでマックを開く光景はもはや、「いかにもな富士」と同じくらいおあつらえ向きな風景であり、見かけるとちょっと恥ずかしくなってくる。
いかにもな富士を見て、恥ずかしくなった太宰はふと、富士とは逆方向に目を向ける。するとそこには一輪の月見草が。
ここで有名な言葉が発される。「富士には月見草がよく似合う」と。
一見関連性のないふたつのモノから芸術性を見出す。物語でもよく使われる手法だ。
「皆とは違う視点を持ってまっせ」という太宰のひねくれっぷりがいかんなく発揮された中二病クサい発言である。
太宰の作品を出してまで、一体なにを言いたいかと言うと、もはや「カフェでマックはスタイリッシュでもなんでもないですよ」ということ。
以前はウインドウズ搭載のノートパソコンが主流で、アイマック持ってるヤツはちょっとイカしてるというか、意識が高いというか、まあ、正直鼻につくという感じがしたけど、
今はマックなんて珍しくもなんともない。
カフェマックが多すぎて、見かける度に「またか……」感がハンパないのです。
中二病全開の太宰が今も生きていたら、カフェでマックなんて絶対に開かないだろう。富士から目を逸らすくらいの逆ミーハーだから。
多分、エロ雑誌でも開くと思う。オシャレなカフェとは対極にあるものだから。エロ雑誌こそが太宰の言う「月見草」なのだ。
そして太宰はドヤ顔で言うだろう。「カフェにはエロ雑誌がよく似合う」と。
アホですね。これはただの。そもそも視覚的に迷惑だからやめろっつー話ですね。
でも、なにか芸術性はありませんか。物語が始まるような気がしませんか。しませんね。すみません。
とにかく、格好つけでマック開いてる人はやめた方がいいですよ。皆否定すると思いますがね。ふふふ。
マジで仕事してる人には、「ごめんなさい」と言う他ありません。
以上です。なにこの話。
働きたくないんです。