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QOLってなに?

非正規で金がないくせに、スタバで偉そうにカフェオレを飲んでいると、隣の男ふたりの会話が聞こえてきた。

「QOLがね……」

「うん。今の時代QOLだよね……」

多分こんな感じだ。

しきりに「QOL」という謎の単語を発している。

「仕事の専門用語やろか?」なんて思いつつ、引き続き偉そうにカフェオレを飲んでいるとやっぱり「QOL」が気になってくる。「やだ私、またQOLのこと考えちゃってる……」

気持ちが悪いので、調べてみた。

専門用語でもなんでもなかった。「Quality of Life」の頭文字を取って「QOL」。意味は「生活の質」とのこと。

……………

ほなもん、生活の質って言うたらええやないか。

「キューオーエル」と「せいかつのしつ」。

言い換える意味がわからん。略してるワケでもないし。

「生活の質」という誰もが理解できる言葉をなぜ、ほとんどの人が理解できない「QOL」などという謎の言葉に置き換えるのか。

こういう意味のないことが社会では流行っているらしい。

「アジェンダ」は「議題」

「コンセンサス」は「合意」

日本語でええ。そないな無理せんでも、日本語でええんやで。

「コンセンサス」に至っては「合意」と言う方が短いし言いやすい。口に出して言ってみるとわかるが、「コンセンサス」はなんか、つまずく感じがして言いにくい。一方「合意」は「ほーい」とか「おーい」みたいな感じで口当たりも爽やか。言うたびに高原の風が頬を撫でるようだ。

なんかどうでもいい話になってきたが、とにかく変な英語を日本語の間に挟むのをやめてほしい。

ことあるごとに自慢するが、私はTOEIC900点以上持ってる。

英語に堪能な私でも急に上司に「コンセンサス取っとけよ」と言われたら、

「コンセンサスってなんやったっけ? っていうか、このオッサン英語使ったらカッコいいと思とるんやろか? ぷぷぷっ、かわーいーいー」

みたいな思いが頭を交錯し、その後の話が入ってこないだろう。

さっき、これらの単語を調べたら予測検索でこんなのが出てきた。

「アジェンダ 意味」「コンセンサス とは」「QOL 使い方」

皆、全然わかってねーじゃん!

「今日の会議は『QOLについて』だったけど、一体なんの話だったんだろう? 『QOL、はい! 良いと思います!』とか張り切って言っちゃったけど……」

皆、こんな感じでこそこそと調べているのだ。

なんでもかんでも西洋に習えばいいってモンじゃない。そんなことは福沢諭吉だったか新渡戸稲造だったか、勝海舟だったか忘れたけど、とにかく誰かが100年前くらいに言ってた。ホントにそう思う。

日本語で通じるものをわざわざ英語にせんでもええ。誰にでもわかりやすく話せる人が本当に立派な人なんだと思います。

#エッセイ #英語

働きたくないんです。