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「最近の若いヤツは弱い」←いいことなのでは?

「最近の若いヤツは弱い」「根性がない」

こんなことを言われた人は多いのではないでしょうか?

確かに弱くなってると思います。根性がなくなってると思います。

でも、ちょっと待ってほしい。

「最近の若いヤツは弱い」と言ってるオッサンだって、一昔前の人間に比べたら弱いはずです。

一昔と言えば戦後まもなく、食う物もロクになかった時代。休みなし無給の滅私奉公だってあったでしょう。

そんなお年寄りからすれば、モノが溢れだした高度経済成長期に育った今のオッサン共は弱いのではないでしょうか?

もっと言えば、今のお年寄りだってアメリカと闘った戦時中の人からすれば弱い。

その戦時中の人も攘夷で揉めていた幕末の人からすれば弱い。

その幕末の人も弱肉強食の戦国の人からすれば弱い。

という風に時代によって人間の強さってのは変わってくるものだと思います。時代が荒れれば荒れるほど、人は強くなる。平和なら弱くなる。

時代が人を作る ~司馬遼太郎~

私のすごく好きな言葉です。まさにこの通りだと思います。

幕末という短い期間にあれほどの偉人がたくさん出てきたのは、帝国主義時代がそうさせたから。江戸時代に出てきた偉人が少ないのは平和だったから。

「若者が弱くなる」ということは、江戸時代と同じで「平和で安定した時代が続いている」ということ。めっちゃ良いことじゃないですか。

戦争などは、なによりよい磨練だ。 ~氷川清話 勝海舟~

勝っつぁんが言うように、仮に今、世界恐慌とか戦争とかになったとしたら、”弱いはず”の若者は今のオッサンよりはるかに強くなるでしょう。でも、そんなこと誰も望んでいません。

だから、弱くなることは良いことだと思います。

「弱い」なんて言われても、凹んではいけません。当たり前のことです。人間、強くなる必要があれば勝手に強くなります。

今の強い(らしい)オッサンだって高度経済成長というモーレツサラリーマンが活躍する”時代”が作ったのであって、別に本人が特別努力したから、というワケでもないでしょう。

時代によって人間は変わるのは当たり前のこと。だからその人間に合わせて、やり方も制度もすべてドンドン変えていかないといけない。

こんな当たり前のことが理解できず、いつまで経っても古いやり方に固執する。やたらと変化を恐れるオッサンこそが「弱い」「根性がない」と言えるのではないでしょうか。

弱いなら、弱いままでいいじゃないか ~岡本太郎~

「今の若いヤツは弱い」

上等じゃないですか。皆、胸張って生きていきましょう。

#エッセイ #弱い #司馬遼太郎 #時代

働きたくないんです。