口先だけじゃダメ！ 実力を証明して信用を勝ち取れ【忍者の技と知恵 #362】

口先だけが上手で実際は何もできない、悪い商人や詐欺師みたいな人が世の中には多いものです。右往左往がいる中で自らの実力をちゃんと認識してもらうには、言葉で自分のことを話すだけでなく、実際にその場でやってみせることも必要です。

忍者は戦が始まる直前から身分を隠して敵将に仕え、一生懸命に働いて信用を得て、ここぞというときに裏切って敵将を倒す謀略「袋翻ふくろがえしの術」で戦を勝利に導きます。

敵国に仕官する忍者は厳しい修行を積んできたと自分の経歴を紹介するだけでなく、摩訶不思議な術を見せることで能力をアピールし、その上で「忍術は奥深く極秘なことが多いのでこれ以上は見せられない」などと大口を叩いて仕官します。

能力を実際に披露して見せながら、これはまだ片鱗で他にも様々な技を持っていると言うことで、相手に自分の考えと能力を理解してもらい、それによって信用を獲得した上で、さらにこの人なら色んなことができるかもしれないという可能性を想像させることができます。

大口を叩いて能力アピールする

図解 万川集海 第三帖「陽忍編（上）」

図解 万川集海 第一帖「序・正心編」（無料版：2023再編集）

万川集海とは
『万川集海（ばんせんしゅうかい／まんせんしゅうかい）』は伊賀甲賀49流派の忍びの術、古代中国や日本の謀略家・名将軍の技と知恵を結集し、悪しきものを捨て良いものを厳選し集大成した全21巻に及ぶ忍術秘伝書である。
万の川が集まり大海となるように、数多の術を結集したことから名付けられる。