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着地の衝撃を逃す「ランディングの上手なやり方」

ここではパルクールの着地技術であるランディングについて細かく扱います。一般的なランディングのやり方についてはYouTubeで検索して見てください。

本文では、ランディングをある程度やった事がありできている。またはランディングの動作を知っていることを前提に話を進めます。

【凡例】
・本文で扱うランディングは両手足による4点着地とする(両足2点のランディングは含めない)。
・ランディングは直訳すると「着地」だが、ここでは着地技法の名詞としてランディングという言葉を使う。

両手両足の4点で衝撃を逃すのがランディングな訳だが、厳密には4点同時に使うわけではないーー

ランディングの上手なやり方

落下時に宙空で体全体を伸ばして着地に備える。両足の2点が接地したら足首・膝・腰を曲げ衝撃を全身を通して上方向へ逃す。腰から上へ衝撃が逃げ始めたタイミングで上体は前傾になり両手2点でさらに衝撃を受けに入る。両手が接地したら手首・肘・肩を使い衝撃を上方向へ流す。身体にダメージが無いレベルで衝撃を逃したら、今度は両手足4点で地面を押し返す(着地の反動と脚・腕の筋肉を使う)。衝撃がゼロになり、挙動が静止したら次の動作に移る(または押し返した際のエネルギーでフローを行う)。

衝撃は体に二度加わる

話を始める前に前提としてー
人間の重さ(体重)がかかる一点を重心といい、直立時それは臍下丹田にあるとします。この下丹田とはヘソの下3センチの場所です。さらに丹田は3種類あり、ヘソ下の下丹田、胸の中丹田、おでこの上丹田で、これら丹田が真っ直ぐに重なっていると重心が安定する状態になります。

両足2点着地の段階で発生する衝撃は下丹田に集約されている重さによるもの。まず両足着地、膝、腰でこれを上へ逃すがこれ以上人体で曲げられる部分は背骨しかないので衝撃の逃げ道が無い。そこで上体を倒して下丹田の重さを中丹田に移して衝撃の発端をズラす(これでこれ以上上方向へ逃せない衝撃を若干斜め前方向に逃す)。すると中丹田に集約された重さが重力と落下エネルギーに引かれるので、これを両手2点着地で受ける。手首、肘、肩関節を曲げて衝撃を上へ逃す。完全に両手足4点が曲がり切るとこれ以上曲げたままでは衝撃を逃せないので、衝撃の流れ(着地の反作用)に合わせて両手足を伸ばして対応する。

身体全体をサスペンションにする

着地前から着地時は全身と腕を伸ばした状態で衝撃吸収に備える。サスペンションでいうバネと一緒。着地後、手脚関節が曲がりきったら押し返すが、今度はサスペンションのショックアブソーバーのようなイメージで筋肉を使い衝撃(着地の反作用)を緩やかに流す。

衝撃を発生させる2つの丹田

ここで分かるのは、ランディングによる着地時に人体に加わる衝撃は二点あること。第一波は下丹田、第二波は中丹田である(一応前傾になって両手で受けた後、その流れで頭が下がり重心位置が上丹田に移行しそうになるが、これは両手足の押し返しで防いでいる)。

衝撃が二回くるのは、第一波を上方向に流しきれないために前傾になり斜め前方向に逃がそうとした結果、重心位置が(中丹田に)変わり再度重力と落下の運動エネルギーを受けたことによる。

なお、衝撃はまず下方向、次に斜め前に流れ、手足の押し返しで上方向の流れに戻る。衝撃を逃しやすくする方法として、力の流れを常に変化させることが大事ともいえる。現にPKロールは全身を使い着地の衝撃を分散させている(上方向の衝撃を斜め前、前、下、後ろに逃し、衝撃の余力で起き上がって走り出す)。

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