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私には夢があります

私には夢があります。仕事柄、日本各地を訪れて、素晴らしい店、そして経営者を取材させていただいてきました。その数4000以上。その多くは、その地に根づき、その地に暮らす生活者の暮らしを心豊かにする店です。

どれも企業規模という点から見れば、小さな存在かもしれません。けれども、個性にあふれ、店主や店員の人柄、いえ体温が感じられる店です。全国どこでも同じ看板を掲げ、一定の品揃えとサービスレベルを売りものとするチェーンストにはない純度の高い個性がそこにあります。
 
巨大店舗やチェーン組織の経営者のほうが優れてといるという考えはもうやめましょう。それはまったくの誤りです。それは、小さく精密な時計を大切に修理する職人より、流れ作業によって大量に生産するメーカーのほうが優れていると考えることに似ています。無農薬、有機肥料で大切につくる農家より、科学肥料と農薬をおかまいなしにまき散らして大量に生産するだけ生産者のほうを良しとすることと同じです。
 
小さな愛すべき専門店にこそ、高度な技術と知識が必要なのです。こうした店には、単に安いとか便利とかというより、人間としての真、善、美があります。
 
ただし、小さい店ということだけを誇りにすることも間違いです。光り輝く存在でなければ、砂浜に落ちた砂粒に過ぎません。光り輝くのは、とても大変な努力を伴う営みです。コロナと共に生きる社会では、その努力はさらに求められるでしょう。
 
例えば、仙台郊外にある小さなスーパーマーケット「さいち」。ここには、多くの人に愛されるおはぎがあります。それをどうやってつくるのか、次の写真にヒントがあります。

そう、私の夢。こうした愛すべき店が、それぞれのまちに根づき繁盛すること。それこそ、暮らしを豊かにします。

そんな店になろうと覚悟を固め、努める商人を応援すること。そして、そんな店が街にあふれること。それが私の夢なのです。

そして、この夢は私だけの夢ではありません。全国には夢に向けて努力するたくさんの商人がいることを私は知っています。だから、大丈夫。だから、頑張れるのです。

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