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ユニクロ柳井正さんの座右の銘

「価格も大事だが、それ以上に価値を伝えることが大切だ」

こう語ったのは、ファーストリテイリング柳井正会長兼CEO。さる4月の決算発表の席上、今後10年を目標に売上高10兆円をめざすと宣言したときのことです。

「価格だけではなく商品を見る目がすごく厳しくなった」と前置きしたうえで、「顧客の情報をいちばん持ち、実際の商売に表れる製造小売業になれれば売り上げもおのずと上がっていく」と、お客様をお客様以上に知ることを目標達成の最重要項目に置いています。

世界に目を転じると、アパレル専門店の売上高トップは「ZARA」を展開するインディテックス(スペイン)の約4兆5922億円(325億6900万ユーロ/2023年1月期)。ファーストリテイリングは、2位のH&M(スウェーデン)に次いで3位。それぞれの海外初出店は「ZARA」は1988年、「H&M」は1964年、「ユニクロ」は2001年(イギリス)。

他社より後発ながら成長を続けるファーストリテイリング創業者、柳井正さんが「最も影響を受け、最も好きな言葉」として、自身の執務室に掲げる一文があります。「私の座右の銘あこれ以外ない」と断言するものです。

店は客のためにあり
店員とともに栄え
店主とともに滅びる

「これまでに、この言葉に何回も励まされ、『ああ、こういうことだったのか』と気づかされたりしてきました」と柳井さん。その言葉をタイトルにした一冊『店は客のためにあり 店員とともに栄え 店主とともに滅びる』を、もうすぐ上梓させていただきます。本書冒頭に、柳井さんが解説文を寄せてくださっているのは、こうした理由からです。

・店がお客様のためにあることを自覚し、実践する商人
・旧弊に囚われず、新しい商業を創造しようとする商人
・お客様を心から愛し、お客様から心より愛される商人

これが本書のめざす商人像。すなわち、これらこそ「店は客のためにある」と訴え続けた商業界創立者、倉本長治が半生をかけて育て続けた商人像。柳井正さんも、その一人なのです。

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