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買い物は、未来への投資

商いとは今日のものではない
永遠のもの 未来のものと考えていい
人は今日よりも
より良い未来に生きねばならない

これは商人の父、倉本長治が遺した言葉の一つです。つまり、商いとは未来につながるものであり、今日よりも明日を良くする営みです。

岩手県陸前高田市、伊東文具店の伊東亜希子さんがめざしているのも、やはり明るい未来でした。レジ袋が有料化される7月1日にタイミングに合わせて販売を開始したオリジナルマイバッグも、その一つです。

「昨年7月1日、陸前高田市は岩手県では初のSDGs未来都市に選定され、同年11月には陸前高田市SDGsプラットフォームも設立され、現在行政をはじめ市内の事業所、団体などがSDGsの推進や取り組みを実施しています。

その取り組みの一つとして、当社としてすぐにできることは何かを考え、マイバッグの制作に至りました。
陸前高田市といえば海、高田松原があるので、SDGsの目標14〈海の豊かさを守ろう〉にもつながってきます。市販の商品も多くありますが、まずはマイバッグを持ち歩くという意識づけが必要だと思い、当店独自のオリジナルバッグをつくって自ら発信することでレジ袋の削減に努めようと思いました」

オリジナルマイバッグはナチュラルとブラックの二種類。制作の意図を伊東さんは語ります。

「ナチュラル生地のほうは若い人から年配の方まで(特に女性)が気軽に手に取りやすいように、カジュアルでかわいいデザインにしました。ブラック生地のほうは、昔ながらの“山十”の屋号を入れることで、懐かしさや貴重感を出し、特にこのマークを知っている年代の方(特に男性)に手に取ってもらいたいと思いました。狙いどおり、この山十マークを見て懐かしんで手に取ってくれる方もいらっしゃいます」

全体的には、折りたたんでカバンに入れて持ち歩きやすいように、生地は軽く薄めで、商品を入れやすいようにマチ付き、肩にかけやすいような持ち手の長さになっています。二つ合わせても500円という買い求めやすい価格設定に、伊藤さんの本気度を感じます。

伊東さんは、所属する青年会議所でもSDGsの取り組みの一環として、誰でも参加できる行事や活動を企画しているそうです。できることからすばやく実践するーーこの行動力は、東日本大震災からの再興に努めてきた経験の賜物なのでしょう。

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