大切な時に言葉が出てこない

相手が苦しんでいる時や悩んでいる時、今ここで何か言葉を掛けなければというタイミングで、言うべき言葉が何も浮かんでこない。言葉はすべてタイミングだから考えすぎてはいけないし、だからといって即座に適切な言葉を見つけられない。つい考えすぎて沈黙してしまう。

なので瞬発力が問われる会話は苦手だ。そういう意味で最も瞬発力が試されるアイドルの握手会は懸命に頭を回転させて臨んでいる。本当はもっと沈黙が許されるぐらいゆっくり話したい。

言葉が出ないというのは相手に寄り添おうとしないという意味でもあり、沈黙の場面を作ってしまう度に自分は他人に興味がないことをまざまざと思い知らされる。もっと他者への想像力があれば何かしらの言葉は出てくるはずだと思うが、考えあぐねた末に口を噤んでしまう。

もっと他人に興味を持てるように変わりたい。普段から出会いは少ないので、いっそマッチングアプリでも始めるかと思っても時間をかけて関係を築くことをいつも億劫に感じてしまい踏み出せない。

じゃあアイドルはどうなんだと問われたら、アイドルとはビジネスの関係で、どこまでいっても遠い存在と割り切っているし、その遠さに安心感も感じているから今もアイドルオタクを続けていられるのだろう。情が移りすぎない距離感の先に踏み込むのを躊躇する。

いつか私のこの性格が私自身を滅ぼすのではと不安だ。ひとりで生きられる(錯覚ではあるけれど)のが逆によくないのかもしれない。私は他人に頼るのが苦手であるし、だからこそ頼られた時の反応にも困ってしまう。もっと他人に興味を持って助け合いの精神で生きていかないと危ないぞと思うけれどどうすればいいのか。なんとかしなければと今日も必死に言葉を考える。

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