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【恥ずかしい失敗談】13

さて、KISSにあこがれてフライングV(Greco FV600)を買った、きやへん少年だが、練習曲はディープ・パープル「スモーク・オン・ザウォーター」だった。

これは当時友達の間で流行っていて、スモークとハイウェイスターが弾けないと認められなかったからだ。
KISSのポール・スタンレーにあこがれて入手したフライングVに、リッチーブラックモアに対応するためにトレモロアームを付ける❗と言う暴挙を思い立つわけだ。
そこには、もう今さらストラトキャスターなど買えないと言う貧乏と、意地でも皆と同じストラトなんか弾きたく無いと言う頑固さが災いしていた。

【リッチー・ブラックモアへの道】

Gibson系ギターに付けるビブラートユニットは、ビグスビーかマエストロの板バネが定番だ。
しかし、オレはリッチーブラックモアを目指すために、フェンダー式のシンクロナイズド・トレモロブロックを採用したいわけだ。

先ずはトレモロブロックの入手だ。
友達のツテで、壊れたストラトから外したと言う、国産のトレモロブロックを入手した。
ダイキャスト製の一体整形で、ブリッジ駒もダイキャストで、今で言う、ナローピッチの9.8mmピッチだった。
既に使い古されているので、弦の溝も出来上がっていて、今ならゴミ箱へ直行するようなレベルのものだ。

それでも当時のオレはギターパーツだってだけで、随分と狂喜したものだ。
され、コイツを取り付けるべく、フライングVのボディーに穴を開けなくてはならない。
当然ルーターなどという電動工具など持っていないので、ハンマーとノミの出番と成る。
雑誌などで見るストラトの分解された写真を見ながら、Vのボディーに下書き(墨入れ)をしていく。
寸法など完全に目分量だ。
とにかく、穴が空いてないと付かないわけだから、ボディーを貫通させる穴を掘ることが先決だった。

【穴が空いた】

掘り進めること数時間、ボディーを貫通させた穴が開いた。
しかし、その穴はリヤピックアップのキャビティーと完全に繋がってしまった。
つまり、ブリッジが乗る場所がないのだ。
思案した挙げ句、9mmのコンパネを切って、シンクロナイズドトレモロのネジが刺さる部分に橋渡しを作って、そこにトレモロを固定することにした。
トレモロを載せてみる。

オレ:「(´・ω・`)…。」

GrecoのFV600のネックには、仕込み角が付いていた。
つまり、ブリッジの高さが合わないのだ。
トレモロを固定してみると、弦高が全く上がらず、フレットにベッタリと接触してしまい使い物に成らない。
そこで、コンパネを更に積み重ねて高さを稼ぐことになった。
結果、ブリッジ部分はボディーの半分ほどまで削られ、そこにコンパネで作った台座を埋め込む形になった。
しかもボディートップから2cmも突き出さなくては成らなかった…。

かなりかっこ悪い。
しかし、やっちまった以上は完遂させないとギターが弾けない。
後悔の念とともに作業をすすめるしか無いのだ。

【難攻不落】

トレモロを付けると、今度は裏側のバネが引っかからない。
ボディートップから2cm近く張り出しているブリッジの台座に固定するわけだから、当然背面は2cm凹むわけだ。
なので、スプリングバネが取り付けられなくなる。
仕方がないので、今度は、裏側のスプリング部分のザグリを深くしなくては成らない。
とにかく掘る。
すると、リヤピックアップのザグリと貫通してしまった…。(号泣
それでも、スプリングを付けないとトレモロに成らないので、もう泣きながら作業するしか無い。

これで、リヤピックアップ周辺のボディーを構成する木材はコンパネのみとなってしまった。
しかもそのコンパネは両サイドを残っているボディーにネジ止めしてある。
かなりのフランケンシュタイン度合いだ。
ヴァン・ヘイレンなど、足元にも及ばないくらい、フランケンなのだ。🤣

【完成】

何とか、トレモロを取り付け弦を張って見た。

ギター:「ウイン♪ ウイン♪」
 
オレ:「。・゚・(ノД`)・゚・。」

動いている。
これでアームダウン出来るようになった。

しかし…

チューニングがメチャクチャ狂うではないか❗
コレでは、使い物に成らない。
オレは考えた。
当時、ストラトのチューニングの狂いを軽減するために、先人たちがいろいろなアイディアを公開していた。
今のようにインターネットではないので、概ね本屋の立ち読み情報だ。
その情報を集めることにした。
ソレまでは、アームは使わないようにするしか無かった。
もう何のために、アームを付けたのか分からなくなってきていた…。

つづく

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