見出し画像

写真が消えた日

復活の呪文

 パソコンの写真を管理するのに、ウィンドウズ標準のものは使いにくいし、非力なうちのパソコンの場合、アドビやメーカーのソフトは重すぎるので、大昔のVIXというフリーソフトを愛用している。動作に全くストレスが無いし、結構痒い所に手が届く機能が備わっている。そのVIXを使っていつものように写真を整理している時にそれは起きた。
 マウスを右に動かした時に、置いてあったグラスにぶつかってしまい、カチッとボタンが押されてしまった。その瞬間画面に「@#&{*>.を削除しています・・・」というようなメッセージが流れたような気がした。マウスの矢印の近くには×のようなボタンがあり、これを押した事になったらしい。何を消したんだ?もしかして・・・。
 パソコンのデータは、音楽や写真、事務書類などにフォルダ分けして保存してあるが、よりによって写真フォルダを丸ごと消したらしい。なんてことだ。いやまてまて、写真歴も無駄に長いが、パソコンだって結構昔から使っているのだ。こういう時は落ち着いて、CTRL+Zを押せばほら・・・。

データ復旧ソフト

 戻ってこないな。「データが飛んだ~データが飛んだ~♪」酔いが醒めてきた。写真を保存してあるのは外付けのディスクなので、ごみ箱は使えないだろう。落ち着け落ち着けまだ大丈夫だ。こんな時はアレだ、Recuvaだ。パソコンのデータ削除というのは、本の目次を消しゴムでゴシゴシ消すようなものであり、データそのものを消すわけではない。その目次を復活させてくれるのが、このRecuvaというソフトだ。これまでも何度か仕事の「やっちまった」を無かったことにしてきたのだ。早速インストールし、スキャンを掛ける。おかしいな、何も出ないなんてことがあるか?「詳細検索」というチェックがあるので、これを試してみよう。残り時間4時間か。今日は諦めてこのまま寝てしまうしかないな。
 翌朝わずかな期待は脆くも崩れ落ちる。どうでもいい写真が、十数枚表示されていた。

人間諦めが肝心だ

 データサルベージサービスに依頼する事も考えたが、10万コースだろうな。いよいよ詰んだか。まぁ塩釜や糸魚川の事を思えば、この程度の事は大した事じゃないじゃないか。悔しかったらこれからもっといい写真を撮ればいいじゃないかと、半ば強引に気持ちを前に向かせようとしていた時、ふとパソコンのごみ箱アイコンの上に見慣れない紙屑が載っているのが目に入った。普段はごみ箱に余計なデータが残るのが嫌なので、SHIFTキーを押しながら削除をしていて、いつもごみ箱は空っぽのはずだ。ごみ箱を開けてみると当たり前のように写真フォルダがあり、「元に戻す」を押してみると、何事もなかったように写真フォルダが現れた。アビバ行けよ、俺・・・。

OLYMPUS E-P5 LUMIX G X VARIO PZ14-42

 糸魚川はとても好きな街なので、火事のニュースにはとても胸が痛んだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?