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プロジェクトマネジメントについて

いろいろな企業を支援している中で、事業全体の戦略がどうこうというよりも、「プロジェクトマネジメントが出来ていないがゆえに上手くいっていない」という例を数多く見かけています。

他方、「プロジェクトマネジメント」という言葉は多義にわたり、その本質部分を把握できている人は多くありません。PMBOKも知らなければ、ガントチャートを書くことがプロジェクトマネジメントだと勘違いしている人もたくさんいます。

そこでこのエントリでは、プロジェクトマネジメントの本質部分について簡単に書いていこうと思います。

[補足] プロジェクトマネジメントの誤解
プロジェクトマネジメントについて調べていると、「プロジェクトをどのように進めれば成功するのか、詳しく計画を立て、管理していくこと」といった定義が散見されます。

これはこれで正しいのですが、なぜプロジェクトマネジメントが必要なのかという点について一切答えておらず、混乱の元だと考えています。

なぜプロジェクトマネジメントを行うのか

話をわかりやすくするために、プロジェクトマネジメントが機能していない状態を想像してみましょう。

すなわち、計画や目標がなく、ただ闇雲に前に進めているような状態です。

この状態で何が起こるかでいえば、「いま何をやれば良いのかわからない」という混沌です。頼るべき指針もなく、何をやるべきかの計画もない状態であれば、そのような混沌が生まれるのは必然といえます。

としたときに、「混沌とした場所に明確さを与える」という部分にプロジェクトマネジメントの本質があることが浮かび上がります。

明確さを与えるための手段としてのプロジェクトマネジメント

プロジェクトマネジメントの三種の神器といえば(これには諸説ありますが)、「課題管理」「リスク管理」「進捗管理」です。

これはそれぞれ何をしているのかといえば、課題管理は「いま困っていることおよびその解決状況」を明確にする行為ですし、リスク管理は「将来困るであろうこと及びその対処方法」を明確にする行為ですし、進捗管理は「いま何をすべきか」を明確にする行為であるといえます。

PMBOKでいうプロジェクト憲章(雑にいえばプロジェクトのゴールや目的を記した資料)は、日々の決断に指針を与え、日々の判断を明確にするためのものですし、ステークホルダー管理はステークホルダーを洗い出すことで誰に何を伝えるべきかを明確にするための行為といえます。

つまり、プロジェクトマネジメントのHowの背景には「明確さを与える」という明確な目的があるわけです。

とはいえこの目的を語らずにHowばかりが蔓延しているため、プロジェクトマネジメントという行為に不必要な難しさを与えてしまっているというのが現在だと考えています。

プロジェクトマネジメントのはじめの一歩

プロジェクトマネジメントをはじめるためには何を勉強すれば良いかと聞かれることは多いのですが、まずは目の前の仕事における「わからないこと」を明確にすることから始めてみてはどうでしょうか。

たとえば「上司の言っていることがわからない」も混沌を生み出す要因ですし、「会議で何が決まったのかハッキリわからない」もその一例です。

それらを突き詰めていくと「プロジェクト憲章」や「課題管理」「進捗管理」といったものになっていくのですが、その本質は「わからないことを明確にする」ことであって、それ以上でもそれ以下でもありません。

[補足]
プロジェクト開始時は「プロジェクトのことが何もわからない」というのが通常です。それゆえに、PMBOKなどのプラクティスに則り、無理やりにでも前に進めていくことで、「わからないことを少しずつ明確にしていく」というアプローチを取ることが有効といえます。

それでもプロジェクトマネジメントに困ったら

自分(たち)が何に困っているのかを明確にするところから始めるのが良いと思います。

そのための手段としては、書籍などの先人の知恵から学ぶのも良いですし、身近にいるプロジェクトマネジメントに詳しい人に聞くのも良いでしょう。

身近にそんな人がいないよ、というのであれば、私に連絡していただければ何かの解が生まれるかと思います。(仕事の場合は有料ですが)


P.S. プロジェクトマネージャーの育成を任せたいという方がいらっしゃれば、お気軽にご連絡ください。PM談義をしたいという方は雑にDMしてください!


まいにちのご飯代として、よろしくお願いします。