ブロッコリーとってきます!

ここ一か月、いつも利用している生協の宅配がストップしている。なんでも、サイバー攻撃によるシステム障害とかで、宅配サービスの機能だけでなくオンライン決済やら何やら全方位に影響が出て、現在、全力で復旧を目指しているところだそうだ。

一週間に一度の宅配がないので、家から車で15分ほどの店舗まで買い物に行く。すると、店舗ではひたすら、「ご迷惑をおかけしております。」「大変申し訳ありません。」と、ひっきりなしに謝罪のアナウンスが流され、レジや商品の棚にもシステム障害で通常通りの営業ができない旨の張り紙がびっしり貼られている。

もうそんなに謝らなくていいよ、と、イチ利用者としては思ったりもするのだけど、普段利用できるサービスが今はのっぴきならない事情で利用できないということを、常に表明し続けないと誰かに怒られるのだとしたら、嫌な社会だ。

で、ひさびさにスーパーで買い物をしているんです。子どもたちが乳児の頃、義母の介護と育児の同時並行で、買い物に出る時間を作ることすら難しく、宅配サービスをフル活用して一週間分の食材を買い溜め、次の宅配まで買い足さなければいけないものがあれば買い物に出る、というスタイルでここ数年やってきていたのだが(もちろんコロナ禍もその習慣を強化した)、店内を練り歩きながら献立を考えつつ食材をカゴに入れていくということが、やけに新鮮だ。もう少し言えば、ちょっと楽しくさえある。

この間なんかは、カゴから溢れんばかりに商品を詰めて並んだレジで、店員さんがわざわざ、「こちら、258円のブロッコリーでよかったですか?今日は58円のブロッコリーが出ているものですから。」と教えてくれた。よくないです、スミマセン、とってきます!とカゴと、一緒に来ていた上の子7歳をレジに預けて野菜売り場までダッシュして、58円のブロッコリーを掴んで戻ってきた、ということがあった。家で、チラシを見ながらスマートフォンで注文をしていてはあり得ない経験だ。

他にも店舗での買い物の効用はあって、普段肉類は宅配されてきた冷凍のものを使っているのだけれど、今は店舗で買ってきた生のプリプリの肉を調理していて、オットがおいしいと喜んでいる。生協さんの名誉のために補足すると、生協の高い冷凍技術による冷凍肉は、料理に使う時から逆算して、きちんと時間をかけて解凍すればおいしいのである。ただ、私がずさんな人間なもので、無計画に料理するものだから、解凍は30分前に流水解凍、なんなら肉の中心はまだコチコチのまま鍋にダイブ、なんて有様なので、そうすると食感がパサパサだったり、噛んでも嚙み切れなかったりする。というわけで、最近は肉が柔らかいと家族が喜んでおる。

こんな風に書くと、今回の事態を歓迎しているかのようだけれど、そんなことはなく、無事に宅配サービスが復旧した暁には、また有難く利用させていただく所存だ。ただ、店舗ならではの良さと肉の柔らかさを再確認したし、子どももいつの間にか大きくなって気がつけば一人で買い物に行く時間もとれるので、両方とも鋭意利用していく。


あと、こんな事態を引き起こした張本人(単独だかグループだか知らんけど)は、これから部屋の中を歩くとき裸足でレゴ踏む呪いに一生かかってほしい。




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