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妻子持ちアラフォーがスタートアップに転職して1年経った話

この記事は Monoxer Advent Calendar 2023 4日目の記事です。

皆さん、はじめまして。モノグサ株式会社でMarketplace領域のプロダクトマネージャー(PdM)をしている岩楯(イワダテ)と申します。

著者近影

人生で初めてAdvent Calendar企画に参加します。何を書こうかあれこれ思案しまして、ちょうど転職から1年弱が経ったので、その振り返りをしてみようと思いました。

モノグサは「記憶を日常に。」をミッションに、現在はBtoBtoCモデルで塾や学校、企業向けにSaaSを、その先の生徒様や社員様向けにスマートフォンアプリを提供して「憶えさせたいものを憶えているか把握できる」、「憶えたいものを憶えることができる」という価値を提供しています。
2021年12月にシリーズBで18.1億円の資金調達をしています。

この記事を読むことで下記のようなことを知れるかもしれません。

  1. 上場ベンチャーと未上場スタートアップの違い

  2. アラフォーがスタートアップで若い社員と働く際の心構え

  3. 育児と仕事の両立のための工夫


私は2023年1月1日にモノグサに入社しましたので、記事執筆時点で11か月が経ったところです。
いくつか会社の公式noteでも記事を公開しているので、そちらもご覧いただけますと幸いです。

まず最初に自己紹介をします。1983年生まれの40歳です。東京都出身で現在は妻と娘と神奈川県逗子市に住んでいます。

逗子海岸

大学卒業後に関西の化学メーカーに入社し、人事などのバックオフィスを経験しました。米国ヒューストンの現地法人に1年出向した際に、自分のビジネスパーソンとしての弱さを痛感し、修行しようと思い英国MBAへ私費留学。帰国後はモバイルゲーム、レシピ、士業向けサービスの会社で新規事業立ち上げに従事してきました。

転職のきっかけ

前職では主に弁護士向けのSaaSの立ち上げとPdM業務を担っておりました。マネージャーとしてピープルマネジメントの経験もできましたし、何より新サービスをゼロから立ち上げてARR数億円まで持っていった5年間は非常に密度の高い経験でした。会社からも評価して頂いていたと手前味噌ながら思っております。

きっかけは2021年の娘の誕生でした。

愛娘

それまで子どもが好きではなく、結婚からしばらく経っていたものの積極的に子どもが欲しい思っていなかった私ですが、いざ娘が生まれてみると溺愛するようになりました。

そして、ふと思ったのです。自分もじきに40歳。仮に70歳まで健康でいられるとして、人生残り30年。その大部分を子どものために生きることになる。どうせ仕事をするなら子どもの人生の役に立つサービスに時間を使いたい。

「教育系のサービスづくりしたいな。。。」

前職である程度できることはやった感覚も持っていたので、一度考え始めるとムクムクと転職意向が強まっていきました。

そこでいくつか選考を受けて、結果としてモノグサへの転職を決めました。他にもいくつかオファーを頂きましたが、決め手はモノグサのメンバーの視座が高く優秀であると感じたことです。

上場ベンチャーと未上場スタートアップの違い

モノグサが5社目ですが、これまでの4社は全て上場企業(2社が東証一部、2社が東証マザーズ 当時)だったので、モノグサが初めての未上場企業です。僕自身は未上場企業に転職することに特段の不安はありませんでしたし、いわゆる嫁ブロックのような妻からの反対も特になかったように記憶しています。

一方で、60代の両親からは「また転職するのか」みたいなことを言われましたので、私の同年代以上の方には転職に対してネガティブなイメージがあったり、ましてや上場企業から未上場企業に行くことに抵抗感を持つ方もいらっしゃるかもしれません。

そこで私なりに上場ベンチャーと未上場スタートアップ(というかモノグサ社)の違いを述べてみます。

情報公開が徹底している

モノグサ社では情報公開、情報共有に積極的で経営会議の議事録や月次の預金残高等も公開されています。意思決定の精度を高めるために正確な情報が共有されるべき、というのは一般論としては皆わかっていてもここまで実践できているのはすごいと思います。

上場企業の場合、インサイダー取引抑止の観点もあって一定程度の情報統制を敷くことが多いかと思いますので、この点は大きく異なり、私は非常にポジティブに受け取っています。上場後もできる限りの情報公開を期待したいところです。

ルールは未整備な箇所が多い

上場企業の場合、各種規定が定められていて「この金額の決裁はマネージャー権限、この金額は部門長権限」というようにシステマチックに決まっていました。モノグサでは整備を進めていますが、まだまだ都度判断のように明確なルールが決まっていない箇所も多いです。

それがデメリットかとそういうわけでもなく、仕事のスピードアップにつながっている部分もあると思います。
過去の職場では「月に一度の役員会議での承認を逃すと、1か月先になってしまう」といったこともありましたが、そのような事態は避けて進められる感覚があります。

役割分担、しっかりしてる

これは意外だったのですが、モノグサではPdMの役割が良い意味で狭かったです。

以前に新サービスを立ち上げて運用していた際は、メールマーケティングのメルマガを自分で書いて件名のABテストをしたり、リード獲得目的のウェビナーの企画運営もやったりと、プロダクトマネジメント以外の部分にかなりの工数を割かねばいけない状況でした。(良い経験を積ませてもらったと感謝しています。)

しかし、モノグサではPdMはプロダクトマネジメントに専念できる度合いがこれまでの職場よりも高いです。ですので、転職当初はやらなくてよいことが多くて戸惑ったくらいでした。

使うツールも一緒

これもWebサービス系特有の事象かもしれませんが、Macbookが貸与されて、Google Workspaceでメールやカレンダー、docs、spreadsheetを使って、Slackでコミュニケーションして、Jiraで開発チケット管理して、Redashでデータ取得してといったツール類は前職でも一緒だったのでなんの違和感も感じませんでした。
ちょっとした部署異動くらいの感覚しかなかったです。

退職金はどっちもない

アラフォーというかミドルが転職を躊躇する理由の一つとして、「退職金がなくなること」があると思います。大企業に勤めていれば退職時に数千万円がもらえるので、残りの会社員生活20年程度での昇給幅と天秤にかけると退職金もらったほうがリターンが大きそうという判断をすることも無理のないことです。

幸か不幸か、私は2社目以降は退職金制度がそもそもない会社を経てきているので、今回の転職にあたってはその点は懸念にはなりませんでした。Webサービス系の会社は退職金ないところが多い認識でおります。

ちなみに余談ですが、1社目を5年で辞めた時の退職金は15万円くらいだった気がします。

アラフォーがスタートアップで若い社員と働く際の心構え

違いがあるとすると、自分の存在です。アラフォーははっきりとおじさんであることを認識しましょう。そのおじさんが年下の若い社員ばかりの環境にポツンと存在すること自体が周囲にとっては大きな差分です。

これは僕が今回転職したタイミングで強く意識していることなのですが、PdMという立場上、意思決定をすることや開発メンバーに指示をすることが多々あります。
そういうときに極力機嫌良く振る舞うことを意識しています。というか普段からヘラヘラしていようと努めています。

おじさんが不機嫌さで周りに気を遣わせることは最悪ですし、過去そのようなおじさんを見てきて不快に感じた自分の経験からも反面教師にしたいと心に決めています。

普段からヘラヘラしておくことで、仕事に関係あることでもないことでも話かけられやすい=情報が入ってきやすい状況をつくることにつながると思っています。根が真面目なので、普通にしていると怖いと言われることが多いので意識してニコニコ・ヘラヘラいようと努めています。

若い頃は分析力!プレゼン力!みたいなハードスキルで仕事をするものと思っていました。が、最近は周りに心地良く仕事をしてもらうための度量というか人間力というかソフトスキルが大事なんだなあと思うようになってきました。

育児と仕事の両立のための工夫

同僚に若い方が多いと、彼らとの仕事に投入できる時間に顕著な差があることがあります。どうしても家事や育児に時間を削られてしまうからです。

平日遅くまで仕事をしたり、土日に本を読んでインプットしたりといったことがライフステージの変化とともにしにくくなるのです。

我が家も共働きですので、
・妻と娘のお弁当作り
・洗濯
・食器洗い
は私の担当です。
娘の相手をしていると土日はすぐに終わりますし、平日夜の時間も一定割かれます。

仕事のアウトプットは投入リソースに比例する部分もあるので、身軽な方と比べるとどうしても投入時間が少ないために、そのままだとアウトプットが減ってしまいます。

では、アウトプット出せなくても諦めるか?というと、それも悔しいので、限られた時間の中でどのようにアウトプットを出すかを考えました。

まずやったことは禁酒です。

正確には平日の晩酌を止めました。それまで365日飲んでいましたが、夕食と子どもの寝かしつけ後にも仕事をするためにはシラフでいないといけないので、飲むことを止めました。結果として朝の爽快感もアップしたので、朝にすぐ仕事に取り掛かれるようにもなりました。

そして、仕事では大事なこと(インパクトにつながること)に集中するようになりました。プロダクト開発において課題の把握、打ち手の検討において論理的に抜け漏れなく思考していくことは当然大事ですが、全てに対して均等に時間を割くことはできないので、「いまこの瞬間に最大の効果につながることは何か(ヒット狙い)」、「中期的に最大の効果を出せることは何か(ホームラン狙い)」ということを特定して、そこに頭と時間を使うように意識しています。

個人的にプロダクト開発において、施策をヒット狙いとホームラン狙いに分けて整理することが好きです。
ヒット狙いばかりになっても、継続的な成長にはつながらない可能性がありますし、ホームラン狙いばかりになるとステークホルダーへの説明コストが上がり協力を得にくくなることもあります。
ですので、ヒット狙いとホームラン狙いをバランスよく仕込むことが必要だと思います。

幸い一緒に仕事をする開発チームのメンバーが優秀なので、ディテールは任せつつ大きめなところに集中させてもらえています。

一年を振り返って

一年はあっという間でした。本当にあっという間でした。子どもに風邪を数回もらって体調崩していたら既に年末です。

この一年は優秀な同僚と、共感しているビジョンに向かって仕事をすることができて、シンプルに「仕事が楽しい」と思える日々を過ごせました。

この先もこの気持ちを保ち続けられるように精進していきます。

最後に

アラフォーでスタートアップに飛び込むことは人によっては勇気が必要なことかもしれません。が、その分得られる楽しさもあります。

モノグサでは50代、60代で活躍しているメンバーもいるので、年齢関係なく仕事を楽しみたいと思う方はぜひ扉を叩いてみてください。
ミドルの意地、見せてやりましょう!

  • Monoxer Advent Calendar 2023 ↓↓↓

おしまい

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