おかえりモネ…16週17週はほんわか幸せじゃなくて、心底切ない週だった

いよいよモネが島へ帰る日が近づいてきましたね。それを前にしてテレビ誌のネタバレやら、新ビジュアルやら…。すごいざわついていたので、普段そんなことしないのに、私も思わず噂のテレビ誌買っちゃいましたよ笑。写真もたくさんで、あーそうだったなぁなんて回想もできたので、まぁよかったかな!私はモネの恋愛については、りょーちんと結ばれてほしいと思っていました。そしてあらすじを読んだ今も、そうなるといいなと思いながら見ています。ただ、また頭を整理したら、ひっかかりまくっていた16週17週がただの、モネと菅波先生が付き合うきっかけと順調な恋愛を見せられたんじゃないのかもしれない!むしろすごく苦しい時だったんだ。って思ったので、その事を備忘録として書いておこうかなと思います。

私は最終週までのあらすじもろもろを読んでるので、この先の内容には今後のネタバレを含むことがあります。それが嫌な方はここで読むのをやめてください。あ、でも今回はたぶん大丈夫?かな?自信はないです。笑

私がモネを応援してきたのは

前にも書きましたが、私はもともと永瀬廉くんのファンだったわけでも、坂口健太郎さんのファンだったわけでもありません。(今はどちらの方も、いい俳優さんだし次回作が発表されたら「見てみよう!」と思うくらいにファンだと思います笑)。ただ、Twitterアカウントをおかえりモネ用に用意したのは、モネとりょーちんの関係性に、「これが震災によって奪われてしまって、もう戻せなくなってしまうものなら悲しいな」と思い、「それでも明るい方へ」「他の場所でも幸せを見つけて」なんて話だったら嫌だなぁと思ったからなんです。それで、いろんな人の意見が見てみたくなりました。震災でたくさんの方々がいろんな物を失いました。命も生活も時間も、戻せないものが沢山ある。でも、たくさんの戻せないものを弔って、その悲しみも乗り越えて被災者の方々が努力を続けてこられたのは、「取り戻せるものは、少しでも元に戻すため」なんだと私は思っています。震災前からそこにあって、震災でなくなってしまったものをただ元に戻したい。だからモネとりょーちんの関係性が震災前からそこにあった特別で大切なものなら、またそこに戻ってほしいって思っていたのが、私がモネとりょーちんの仲を応援していた理由でした。たぶん私の最初のnoteに、そんな感想がうわーっと書いてあったと思います笑。

私が不安になったのは

もうズバリ言っちゃうと、Twitterと公式の煽りです笑 ドラマの内容は、まぁいろんな人が超微細なディテールや、現実世界との違いなんかを突っ込んでるんですけど、正直それは結構どうでもよくて。私は登場人物の思いとか考えとか、ドラマ自体が伝えようとするメッセージみたいなものは凄くいいなと思って見ていました。ただね、素直に見てればよかったのに、見終わった後にTwitterを開いちゃうようになったのが…いや、よくないことばかりではなかったし、いろんな人の考えを知れて、時にお話なんかもできて楽しいんだけど。いろんな人の感想を見る中で、「このストーリーを見た感想がこれなのかぁ」って思うことがぶっちゃけ結構あって。しかもそれがなかなかに多くて。これ、「俺たちの」も「わたしたちの」も両方です。どちらにも、良い受け取り方をしている人も、自分の感情を押し付ける過激派もいましたよね。私も、いいツイートばかりしてきたわけじゃないです。そして、長い長い朝ドラの中で、物語の根幹に描かれようとしているものを忘れていって、それでも時々、「なんか忘れてません?」って話も差し込まれて。その最たるが、「俺たちの」vs「わたしたちの」のバトルみたいな反応だったんだと思います。このタグ使ってる方皆さんがそうじゃないのはわかってますよ。このドラマに悪役はいないと思うから、誰を好きになって、応援するかは見る人によって違っていいんです。でも、これが正解だからこっちは違う。ありえない。って否定はやっぱり違うんじゃないかなと。そう思っていたから、公式が「俺たちの」を使うことや、公式のメモリアルブックに「俺たちの」vs「わたしたちの」の見出しを見た時に、「え、公式もこっちに乗っかるの?」って不安になりました。たぶん私が1番「えぇ?!」って引いちゃったのはここだったと思います。

「これで救われる?」を理解したとき

これは私が思っていることで、正解じゃないですよ。もしかしたら私も超バイアスがかかっちゃってるかもしれない。でも、今はこう思っています。あれはたしかに、モネはりょーちんを想って言ったことだと。Twitter上で考察してる方で、りょーちんとの結末を予想している方に、「モネはりょーちんが自分に告白したと受け取ってない」って仰ってる方もいました。なるほどとは思っていたけれど、なんか理解と納得がしっかりとはできなくて。(すぐ理解してた人すごすぎないか?)これはそのうち明かされるのを待とうかな、と思っていて、前回のnoteでは、「羽衣を着たかぐや姫」と言いました。でもこれも納得できていなかったんですよね。モネに幼馴染以上の感情があったのかも、確信が持てていなかったし。これから大切さに気づくのかな、とも思っていたし。あの16週はなんだったんだろう。そう思い続けてきましたが、やっぱり今、モネはりょーちんは自分のことを好きじゃないのに縋ってきたと思ったんだという考えに至りました。モネは心から「みーちゃんこそ、りょーちんのそばにいるべき」だと思い、「あなたを本当に救える存在のみーちゃんに言わずに、なんでも言える親友のように思っている私に縋って、本当にいいの?みーちゃんと向き合って初めて、あなたは救われるんじゃないの?」と、りょーちんとみーちゃんが向き合うことで2人が救われるはずだと思い、大切な2人を救いたいがために自分は身を引くと決めていたんじゃないかと。だからこそ、これまでみーちゃんに「りょーちんは心強いと思う」と2人の仲を応援したり、みーちゃんに聞かせようと電話をスピーカーにしたんだと思うと、疑問を感じていた部分も納得ができました。ただ妹が可愛くて、その恋路を応援しているのではなく、2人は両思いもしくは、2人こそそばにいるべきだと思っていて、2人のためにしていたことなんだろうと。なぜモネがこう思ったのか、その答えが、もしかしたら未だ明かされていない、震災直後のみーちゃんとの会話の中にあるのかもしれません。どんな内容なのかは分かりませんが、モネにとって、「あの2人にはお互いが必要なのに、それをお互いに言えなくなってしまったんだ」と思わせるような悲しい出来事が、今後明かされるのかも。その後の菅波先生とのシーンも、そう思うともっと複雑で。菅波先生は全てを把握してるわけじゃないと思うんですが、みーちゃんから「あの2人は通じ合っている」とは聞いている。そしてモネからは「彼は今だけでいいからと縋った」と聞かされる。とにかく、姉妹、幼馴染、そして震災と複雑な関係の中で、モネが失恋(というと軽すぎる、もっと複雑なものかも)したのかも?ということはわかっていて。それを理解した上で、「痛みはわからないけど、わかりたい」と受け止めた。縋ろうとしたモネを、モネとは反対に受け止めてあげた。抱きしめてもらったモネの手の中で少しひしゃげたずんだ餅(あれはずんだ餅ではないけど!)は、モネが自分の中で握り潰そうとした、懐かしく優しい甘さの、故郷の香りがするりょーちんへの思いだったんじゃないかなと。でも少しひしゃげただけで、完全には潰せなかった。これら私の経験と予想とですが、食べ物を粗末にするシーンって、視聴者からクレーム(結構執拗な)が来たり、炎上する可能性が高いんですよ。そんなトラブルの火種になりそうなもの、不必要ならあえて入れないはず。2人を触れ合わせるためだけのものなら、潰す必要もないし、印象付けたいだけならあまりにもリスキーかなと。モネはここで、傷ついてボロボロな自分を、それでもいいよと受け止めてくれる菅波先生に身を委ねたんだと思います。

17週のモネのニットと登米

あの16週を経て、登米でのクリスマスや、仕事仕事の日々、菅波先生との優しく包み込んでくれるような恋の日々。これも「りょーちんや故郷のことはどうしたの?忘れてるの?」と怒ってる人も結構いましたよね。私も、怒ってはいませんでしたが、違和感はずっとありました。その違和感をドラマの印象派や古典主義派の解釈で前回のnoteでも書きましたが、今もう一つ至ったのは、「モネが、何か自分が大好きで大切なものを、大切なもののために手放そうとしている時」だったんだと思います。そういう時にモネは、その悲しみや心の痛み、「本当は手放したくない、でもきっとこっちの方がいいんだ」言い聞かせる辛さから自分を守るために、白くてふんわり包んでくれる服を着るのかなぁと思いました。これも私の想像ですよ。でも、高校卒業後、島を離れたいと言った時、東京に行く前家族に思いを吐露した時など、モネは本当は島を出たくなかった、でもあの日感じてしまった罪悪感と疎外感から、遠くにいくことを決める。モネの性格からしたら、新天地にウキウキでいくタイプじゃない。不安も怖さもあるはず。あとはみーちゃんと菅波先生を合わせる時。みーちゃんに「私にはこの人がいます」と紹介する。みーちゃんが何も心配せずりょーちんのところにいけるように。そして17週、季節が冬なのもあるでしょうが、モネは白やベージュのニットを着ています。りょーちんとの一件があったその次の週、モネもドラマの流れもあれはあれで置いといて…というわけではなく、モネは必死に、本当は手放したくないけど、自分より誰かのために手放そうとしていたんじゃないか。そして菅波先生は、そんなモネに気が付いている。だから、みんなが祝福してくれる登米に行き、「見せつけますか?」なんて言ってみたりする。合鍵も渡す。とにかく、妹と思い人のために、自分の思いを握り潰したモネを、元気付けようと、安心させようと振る舞っているのでは?と思うと、今こそ私は「俺たちの菅波」って言いたいですね。だって冷静に考えて、菅波先生があんなに大はしゃぎでいじり倒す登米の皆さんのところに、あんな風に2人で行くの、1番嫌がるタイプだったはずですよね?仕事の合間にマメに連絡するタイプじゃなさそうですよね?たしかに彼には「少しでも顔見るといいなって」と思うモネへの愛もあるけど。盛り上げるためにキャラぶれしてる訳でも、付き合えて浮かれてるわけでもなかった。優しい彼は、モネがひどく傷ついていること、それでも大切な人のために1人でそれに耐えようとしていること、それを全部わかってて、話を聞くでもなく、少しでも温かさと明るさを与えたくて、本来苦手なことまでやってのけた。菅波先生…あなたって人は…泣けちゃうよ。あなたが1番優しくて、大人で、かっこいい男だと今の私は思うよ。。

ずんだ餅とキーホルダー

そしてモネが鍵を投げるところ。あれも皆さん解釈が色々ありますよね。鮫がりょーちんで、とか。モネの思い全部受け止めたとか。私の考えは、飛躍してる&菅波先生を買い被りまくってるかもしれませんが、モネが潰したずんだ餅を、菅波先生は預かった。でも、その思いを失うことがそんなに苦しければ、まだ持っていてもいいんじゃない?急いで手放そうと焦らなくてもいいんだよ。と可愛い鮫に変えて、またモネに手渡してくれた。可愛くて優しい思いだよ。と。もしこの気持ちのせいで苦しくなったら、その時は自分にすぐ会いに来れるように。頼れるように。そうやりとりされたずんだ餅と鮫キーホルダーなのかな、と思いました。モネはそんな彼に心打たれて、その大切な「好き」を、この人を大切にしたいという思いで先生に投げる。モネらしくなく、優しくそっとでもなく、やや乱暴に。自分も少し名残惜しそうに。でも先生はそれも受け取る。そしてモネは全力のハグをする。たぶん全力のありがとう。この時、この瞬間モネは、菅波先生の優しさ、愛情、懐の広さ、受け止めてくれたことに心底感謝し、この人を好きになろうと心を決めるんだと思います。だからこそ、ここから2人はきっと順調に3年の年月を過ごす。本当にちゃんと愛と信頼関係のある、素敵な時間だったといいなぁ。でも、大切な時に、モネを故郷に呼び戻すことが起きるんですよね。ほんとにね。(いや、私はまだりょーちんとモネを応援しているよ)。すーちゃんが言っていた「一瞬の奇跡。それを逃したら明日はすぐに変わっちゃう。そしてもう戻らない」。私これ、逆説というか、すーちゃんの価値観であって、モネの運命を言った言葉じゃないと思ってたんですけど、それにしてはやたら印象に残すようになってたから…。ここなのかぁ。と。すーちゃんのこの言葉があって、しかもモネと先生の気持ちをこう解釈すると、菅波先生とモネは結ばれない。いや、一度は結ばれたけど、菅波先生はモネを送り出すのかなと思ってます。モネがモネじゃない普通の女の子だったら、菅波先生手放しちゃダメだよって、言いたくなっちゃうなぁー。

でもやっぱり、震災と津波でモネとりょーちんとみーちゃんの運命がぐちゃぐちゃに絡まってしまったなら、それは時間がかかっても、解けてほしいなぁ。失ったものばかりじゃない、大切なもので元に戻せるものもあると信じたいです。あと清原果耶さん、この、一見そう見える物語と、本当はこうっていう物語。どちらにも見せようとしてるなら、やはりすごい役者さんだと思います。

実は他にも書き留めたいことがあったんだけど、長くなっちゃったしここで一度。あらすじや新ビジュアルについて思った事を、また週末中に書けたらいいなと思ってます。



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