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油彩用カラーチャートの作り方

このカラーチャートの作り方と混色システムの説明です。

これは僕がアートセンターの油彩の授業で習ったものです。先生はVernon Wilsonという人で、自分にとっては油彩に限らず、絵に関すること全般において非常に学ぶことの多かったクラスでした。

青山塾でのカラーチャートもこれがベースになっています。

実際に絵を描くときに、今もこのチャートの通りに混色しているかというと、そういうことはなく、もっと直感的に色を作っていますが、色について理解するには、つまり色相、明度、彩度の三要素ですが、とても役に立つと思っています。

まず、以下は必要なチューブの色です。使用する絵の具の色はWinsor & Newtonの油絵の具が前提になってます。Transparent Brownだけルフランというブランドです。

● Cadmium Yellow Pale
● Cadmium Yellow Medium
● Cadmium Orange
● Cadmium Red Light
● Alizarin Crimson
● Ultramarine Blue
● Cobalt Blue
● Cerulean Blue
● Viridian
+
● Titanium White
● Ivory Black
● Yellow Ochre
● Light Red
● Burnt Sienna
● Transparent Brown(ルフラン)

カラーチャートです。

これは作った当時に写真に撮ってあったものなので、たぶん色が正確に出ているとは思えませんが、全体的にはこんな感じです。キャンバスボードに塗っています。

まず番号のあるマスは下記のようになっています。

● Cadmium Yellow Pale(1 イエロー)
● Cadmium Orange(2 イエローオレンジ)
● Cadmium Red Light + Cadmium Orange(3 オレンジ)
● Alizarin Crimson + Cadmium Red Light(4 レッドオレンジ)
● Alizarin Crimson + Cadmium Red Light 明度を変えないくらいほんの少し(5 レッド)
● Alizarin Crimson + Ultramarine Blue(6 レッドバイオレット)
● Alizarin Crimson + Ultramarine Blue(7 バイオレット)
● Ultramarine Blue(8 ブルーバイオレット)
● Cobalt Blue + Cerulean Blue ほんの少し(9 ブルー)
● Viridian + Cerulean Blue(10 ブルーグリーン)
● Viridian + Cadmium Yellow Pale ほんの少し(11 グリーン)
● Viridian + Cadmium Yellow Pale(12 イエローグリーン)

アルファベットがチューブの色名で、カタカナは一般的な色の呼称です。

左上は色相環です。

右上ですが、左側の縦列と右側の縦列は補色関係にある色が入っています。1と7、2と8は補色という具合です。そして、中央の縦列は両側の補色同士を混ぜ合わせて、どちらの色も感じられないグレーを見つけ、それを塗っています。画像では若干どれも茶色っぽく見えますが…。これは、色の彩度を下げるためには補色同士を混ぜることを意味しています。

下にあるメインのチャートですが、こちらは上から4段目の列に色相環の色がそのまま入っています。ここでは4段目にある色の明度を上げたり下げたりして7段階の階調を作っています。

右側イエローグリーンの列の下二つが茶色っぽいのは、少々混色がうまく行っていなかった可能性があります。チャートの現物が手許にないのでわかりません。

メインのチャートのポイントは、なるべく明度だけを上下させることです。つまり、色相がずれないように、できるだけ彩度が下がらないようにします。

そのためには、どのように混色して明度をコントロールすればよいかが重要になってきますが、下記がその混色の方法です。

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