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イラストレーター・東京の仕事場から

25年以上フリーランスのイラストレーターとして生きてきた経験から、考えていることや考えてきたたことを綴ります。海外の仕事のことや、ときには仕事以外のことも、画像などを交えながら書… もっと読む
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2019年9月の記事一覧

最近読んだ本

バラバラにチビチビと読んでいて、とても読むペースが遅くて困ってしまいます。絵を描きながら本を読むことはできないので、iPhoneにkindle本を読み上げてもらうのを試しているところです。図版とかがたくさん入っているやつは、そのページですぐ読み上げが止まるのであまり向いてないですが、そうでない本はけっこういけます。 ずっと気になっていて、全く遅ればせながら最近読みました。『82年生まれ、キム・ジヨン』 だいぶ前に50歳は過ぎてましたが『老いる自分をゆるしてあげる』 こち

The Illustrator in America: 1860-2000

アメリカのイラストレーション史を学びたいならとにかくこの本がお奨めです。 僕も学生の頃毎日眺めていました。 140年間に650人ほどのイラストレーターが網羅されています。洋書なので説明は英語ですが、見ていればなんとなく流れがわかると思います。 といいつつも、昔は現在のようにイラストレーターによるタッチのバリエーションが少なく、どの人も同じような絵に見えたりします。ただ、その中でも重要なイラストレーターには少し多めにページが割かれていたりするので、その人を知らなかったとし

アート・オブ・デザイン

僕は青山塾のイラストレーション科でコンセプチュアル・イラストレーションの話をするときに、毎年クリストフ・ニーマンの作品を紹介するのですが、先日受講生の一人がNetflixのアート・オブ・デザインというシリーズに彼が出ていたと教えてくれました。 さっそく見てみると、ニューヨークからベルリンに拠点を移したときの話や、もちろんThe New Yorkerのカバーの仕事の話など、とても興味深かったです。 クリストフ・ニーマンは非常に頭が良くて、面白いアイディアをたくさん出してくる

妄想

この歳になっても、YaleのGraduate Schoolへ行ってArtやPaintingを勉強したいなとかたまに妄想することがあります。もちろん入れるかどうかは別として。ということで、Tuition(学費)はいくらだろうと見てみると、現時点では一年間で$43,300とのことです。 生活費なども入れると全部で年間$74,023かかることになっています。これはとても無理です。

個展のリソグラフ作品とデータの作り方

VOIDでの個展は無事終了しました。たくさんのご来場どうもありがとうございました。小田島さんをはじめVOIDのスタッフの方々にもお礼申し上げます。 今回の個展ではリソグラフ作品を10点展示しました。その画像をすべてここに掲載します。それと、自分なりにPhotoshopで作ったリソグラフ用のデータも一点サンプルとして置いておきますので、興味のある方は参考にしていただければ幸いです。 以下、それぞれの絵について、上がPhotoshopでのシミュレーション、下がリソグラフです。

トレードサイン

さすがにBlackman Cruzはいつもセンスのよいセレクトして来るなあと思ってますけど、このバーベル(ダンベルか?)のトレードサインなどは非常に素晴らしいな。 トレードサインというのはつまり、昔店先に掲げていた看板のことです。立体のもあれば平面のもあって、たいていが一点物の手作り。 僕は毎日こういうオブジェクトをひたすら見て、自分の中のデータベースを充実させてます。絵のために。単なる趣味とも言えますが。

テクスチャの話3

テクスチャの話の続きです。 自分の絵はほぼ完全にデジタルで仕上げておりますが、いかにもデジタル風ではなく、絵の具を使った手描き風を追求しているのはご存知かと思います。その上で、僕がそれなりにテクスチャにこだわるのは、手で描いた感じを消したいからなのであります。 なにか矛盾しているように聞こえますね。手で描いた感じだと語弊があるので、もっとわかりやすく言うと筆で塗った感じ、でしょうか。普通に絵の具を使って絵を描くとして、色面を塗りつぶすのに筆を使うと、筆致やエッジにその特徴