Suno AIでCM作成2

1.前回まで

前回、私のYouTubeに上げているCM「みさみさmedibeauty第3弾❣️」を制作するきっかけから、実際作詞(Claude)、作曲(Suno)を経て、不足分をGarageBandで追加録音と編集までをご紹介しました。

前回完成映像を再度ご紹介します。Suno AIの作った楽曲は頭から22秒以降に登場します。

ここまでの感想としては、こんな簡単に楽曲制作が出来て感動✨凄い👏…が正直なところです。ただただ関心するのみです。

間奏部分のソロパートのキーボードを自分で弾いた事で、AIと共同作業をしたようで、多少の満足感がありました。

ところが物足りなさも残っていたのです。ここで生成AIの事を書いておきながら、曲作りの全てを生成AIに依存したくないと言う気持ちが芽生えてしまったんです。

私はAIを扱うのに向いていないのかも…、なんて考えてしまいますね。それでも楽しいので続けます！※以下前回投稿記事

2.続編の作成に入る(作詞編)

また、特に計画性もなく新しい楽曲を作りたくなりました。そこで前回同様Claude 2に作詞をお願いしました。

前回は歌詞中に主人公の女性として「みさみさ」と言う名前を入れるように指示したのですが、今回はより一層企業色を出したく思い、指定したワードは「medibeauty」のみにしました。

入力したプロンプトは以下の通りです。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
#命令文
あなたは様々なジャンルの歌詞を手掛けている有名な作詞家です。
以下の#条件に従って歌詞を作成してください。

#条件
・出力は下記に示す#出力 の通りに生成する。
・歌詞は下記に示す#入力 の通りに生成する。

#入力
・ジャンル：医療を美容の観点から手助けする企業のCM
・ターゲット層：全ての年齢層
・曲及び歌詞の雰囲気：微笑ましい感じ
・歌詞の中に企業名‘medibeauty(メディビューティー)’を入れてください

#出力
【歌詞】
Aメロ：
Bメロ：
サビ：
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

その結果以下のような歌詞が出力されました。やり直しなしの一発目です。

【歌詞】

Aメロ:
笑顔溢れる 明日への希望
心身ともに 輝く時代
支え合う手 抱きしめる愛
共に歩む この道のり

Bメロ:  
私たちのために 開かれた扉
誰もが笑顔であるように
medibeauty いつまでも

サビ:
美しさは年齢ではない 内なる輝きが大切
誰もが自分らしく 生きるために
medibeauty お手伝いします
いつまでも笑顔でいてね

なかなか良い感じです。特にサビの部分が企業CMっぽいし、目指してる方向性も合っている感じがするし…。

これをその場で英語翻訳もお願いしました。前回も結局英語の歌詞の方が作曲が上手くいったので、またまた念のためです。英語の歌詞の方がメロディー付けやすいのかしら？

【Lyrics】

Verse 1:  
Smiles overflowing, hope for tomorrow
Mind and body shining, in this new age
Helping hands embracing, unconditional love  
Walking together, on this journey

Verse 2:
A door opened just for us   
So everyone can smile
medibeauty, forevermore 

Chorus:  
Beauty is not defined by age, inner radiance is what matters
So we can each live true to ourselves
medibeauty, here to help   
Keep smiling, always 

3.続編の作成に入る(作曲編)

さていよいよSuno AIの出番です。頼んだよ！まずは日本語歌詞からやってみよう。

日本語歌詞で2回(4曲)試したけどガッカリな感じでした。コード進行もなんか馴染めないし、そこに乗っかるボーカルもなんか違う気がします。前の記事にも書いたけど無料プランで出来るのはチャンスは1日5回までです。つまり後3回やったら今日はおしまい。

よし、3回目は英語の歌詞でチャレンジだ！英語も準備しておいて良かったです。

英語チャレンジ1回目！あれっ、初回から良い感じのが出来たぞ！女性ボーカルがとても美しく、ものすごく癒される感じもします。

ところがです！もうこれを採用しようと思った矢先、この音源が明らかに使えない事が判明しました。

前回も書いたように1分20秒の壁です。
サビの最後の1行「Keep smiling, always」の途中でタイムオーバー。alwaysの「オー」で切れてるんです。

さあ困った！大事なサビの締めのところが欠けている！以下にノーカットでそのままの音声を上げておきますね。始まりも唐突に入ってきます。頭の部分もカットしないとね…。

★[追記1：(2024年2月22日)]ここの1分20秒の壁は、出来上がった楽曲のメニュー[...]のところから、「Continue From This Clip(このクリップに続ける)」を選べば、続きを作成できるようです(追加歌詞が必要)。

4.不足分補完作業

「always」のメロディーについても、音が欠落していてはどんな歌なのか分からないし、分かったところでまさか自分で歌う？それはない💦声が違う、歌の上手さが違う…。全て違う！

となると、逆に「always」を切り取るしかないですよね？そこの歌詞を生かせないんだから、初めからなかったことにすればいい。「Keep smiling」だけで意味は通るでしょう？

でも歌詞を棄てたとしても、そこの不足した曲としての穴埋めはどうする？伴奏もないんです。

…

そうだ！自分で伴奏付けてサビを完結させよう。そう思いつきました。前回同様にGarageBandの登場です。でも前回と完全に違うのは演奏がない部分の再現です。元の演奏に近い楽器編成と音色で、繋ぎ合わせるしかありません。

あはは、笑いしか出ません。元の演奏と区別つかない程の演奏なんて無理無理💦諦めかけました。そして一応元の音源の全編を再度聴き返しみたんです。

うーん、何か伴奏の音が鳴ってるけどボリュームが小さいなぁ。ベース音なんかも鳴ってるかも聴き取れないくらい…。あとはピアノか何かが(判別出来ないくらい小さな音)、四分音符でシャーン、シャーンと和音(コード)を奏でてるだけだ。つまり存在感がない伴奏なの。

これって、全部演奏部分録りなおしたら、元の演奏が隠れるんじゃないかな？ついでにアレンジもし直すかな？そうしたら全体的に派手になるし、楽曲の音質も格段にアップするしね。

それにSunoで作った曲の歌声ってあまり音が良くないですよね。なんか声がザラついて聞こえます。まあ人工的なのはしょうがないか…。でも改善したい！

少し加工入れて煌(きら)びやかな歌声にしてみようかな？さあ大変な事になってきました！

皆さんお気付きとは思いますが、ここからの一連の作業は生成AIとは関係ないんです！でも楽しいから先進んじゃおう(o^^o) AIの記事を期待されている方は以下「5.追加レコーディング」は飛ばして下さい。

★[追記2：(2024年2月22日)]前の[追記1]に書いたように「Continue From This Clip(このクリップに続ける)」を選べば、続きの楽曲を生成出来るのですが、alwaysの部分は作成されませんでしたし、この章で書いた不満は解消されません(演奏の小ささや音質改善)。

5.追加レコーディング

演奏全てに手を入れてみよう！なんか、やる気が出てきて妙に楽しくなってきた！

幸い元の演奏の音が小さかったのも今となってはラッキー✌️重ねれば元の演奏が隠れるはずです。

元の歌声は演奏の不要な部分が聞こえにくいように、ボーカルの周波数帯以外をイコライザーで少し落としてみました。そして音の悪さ(ザラつき)を隠すためにリバーブ(エコー的な残響)を全体的に掛けてみました。

そしてGarageBandのメトロノームとしっかり合うようにテンポを決めました。

私はこの歌の歌詞のサビ部分が気に入っています。オマケにSuno AIの付けてくれたメロディーも非常に良く出来ています。出来上がった曲の元の構成は、

Aメロ-Bメロ-サビ(ラスト欠落)※1分20秒

これ、サビから始めたらインパクトありそう！元音源からサビ部分を切り取って、曲の冒頭に置いてみました。うん、いい感じ！でもサビのラストで音声が途切れています。まあ、ここは後で考えよう。

楽曲の構成としては以下のように元歌を編集してみました。

サビ-Aメロ-Bメロ-間奏(新規追加部分)-サビ-Aメロ-Bメロ-サビ

計算ではおよそ4分位と見積もりました。

さあ本番です！今回は考えてる時間もないので、また、サビのインパクトを狙いたいのもあり、イントロはなしです。

ここからはAIから離れてしまいますので簡単に書きますね。

まずはドラムの打ち込みをします。アレンジもごく簡単に歌声が映えるようにして、また、作業時間短縮のために最初の1小節をほぼコピーして最後までコピペで入力しました。そこに多少フィルイン(おかず)を追加で完成です。慣れれば早いもんです。

次はベースの追加です。元の演奏からコードは聴きとってメモしてあったので、あまり派手にしないでコードに忠実に入力して完成です。

ここで途中経過のチェックです。頭から再生してみましょう。おぉ！元の演奏がほとんど隠れている👏他の楽器を加えたら完全に聴こえなくなりそうです。

ここで元の音を完全に隠すべく、弦楽器(ストリングス)をサビだけに追加しました。簡単なコード弾きです。かなり派手になりました。

Aメロ、Bメロはコード弾きのピアノとビブラフォン※を左右に振る感じで配置。ここにブラスセクションを絡ませてみました。うんいい感じです！

※ヴィブラフォン は、金属製の音板をもつ鍵盤打楽器で、鉄琴の一種

繰り返しの他のパートにも完成したパートをコピペして全体をチェックし(聴き返し)ました。凄い！元ボーカルと馴染んでいるし、何より元の演奏が100%消えました！。

仕上げに欠落したボーカルの処理と新規に追加した間奏部分のパートに着手です。

ボーカルの欠落は、演奏で誤魔化してもバレるくらい唐突に切れます。そこで切れる直前のワード「Keep smiling」を復唱させることにしました。それもリバーブ深めにして向こうからメッセージが返って来るようなイメージで…。ほわ〜んとして切れた感じをごまかせるしね。

歌詞カードは「Keep smiling, always」から「Keep smiling(Keep smiling)」に変更です。

alwaysの「オー」の残った歌の断片を消し、keep smilingをコピペして別のトラックにペースト。リバーブを強めにかけて完成です。まあまあ上手く出来ました。

後は間奏部分、初めはアコースティックギターを入れてみました。何か地味なのでブラスセクションに差し替え。最終的にみさみさ本人にどちらか決めてもらいました。その結果がブラスセクションです。

以下はボーカルパートと補完したボーカルパート、それにドラム＆ベースの基本トラックです。

6.楽曲の完成、映像化へ

出来上がった音源をみさみさ本人に確認してもらい、その音源をCapCutに乗せました。

後は適当に過去画像や映像を貼り合わせ、企業紹介や業務内容は作りかけのWEBサイトを重ねて完成！

あっ！歌詞を表示しなくては…。大丈夫です、CapCutには映像から文字テロップを起こしてくれる機能があります。映像ではワンコーラス目は日本語の歌詞を表示して、メッセージを伝わりやすくしました。なのでそこだけ歌詞テロップを置き換えました。

手作業にしてはテキパキとすぐ終わりました。最後の部分に前回同様に企業ロゴを入れて、全ての長さが4分3秒です。ほぼ予定通りの尺になりました。

早速YouTubeにアップしたのが以下の映像です。楽曲も最終の完成したミックス音源です。

Suno AIのざらついた音もなくなりクリアな音声でしょう？そうそう、元々この企画はCMを作るぞ！が目的です。これはこれで問題ないんですが、テレビのCMではいけません。テレビの尺は通常15秒か30秒が標準ですよね。なのでTVサイズ(30秒)も別映像で用意しました。歌詞にメッセージがあるので背景は単純にして、歌詞を日本語でテロップで表示、ただそれだけです。

7.素直な感想と課題

ここまでやって来ましたが、果たしてこれで良かったのでしょうか？ここまでかかった日数はトータルで4日位ですが、実際にこれにかかった作業は8時間にも満たないと思います。

しかし本題のAIでCM作るって宣言しておいて、実際作詞作曲のAI絡みの部分なんて最初の10分やそこらです。後は私の手によるもので決してAIを語れる物ではございません。

逆に言うとAIがあったからこそ、最初の一番難しい作詞作曲があっという間に終わったとも言えます。AIがなければ1ヶ月かかっても完成してなかったでしょうし、出来上がったAI音源が欠落してなければ、それを補って追加レコーディングなんてしなかったかもしれないし…。

もう少しSuno AIを理解して、作詞の量を調整したりすれば、1分20秒に収まってたでしょうか。
もしかしたら有料プランならもう少し長く出来るかしら？いろいろ反省材料はあります。興味は消えていません。それよりやりたい事が増えました。

でもね、一つだけ言えることがあります。曲を完成させる過程でのレコーディングは凄く楽しかった！もう少しそこに時間をかけても良いと思うくらいです。

今はAIで絵画や写真、映像に至るまで生成出来るようになりましたし、まだまだすごい勢いでその機能も改良されて行くでしょう。

でもね、私は全てをAIに任せるのはつまらないし、自分もそこに参加したいんです。例えば私は絵は上手く描けないけど、下手なりに描くのは好きです。音楽も映像も苦労してる時が楽しいし、出来上がった時の満足感も違うと思います。

とは言ってもSuno AIはすごい実力だった。もしかしたら有料プランに乗り換えるかもしれないですね。そしたら今度は商用利用が出来るから、アイディ次第で世界は広がるもんね。

もちろん今回作った作品は無料プランの産物ですから、決まりにより商用利用は出来ません。でも黙ってたら分からないよね？そこら辺のチェックはどうなってるんだろう？言わなければ分からないような感じもしてしまいます。大丈夫です。私はそんな事やりませんから…。

世の中には、楽曲もイラストも写真もフリー素材を作って商売してる人がいますね。この人達は仕事をだいぶ失うんでしょうか？それともその方々こそAIの力を借りて、どんどん新しい作品を生み出していくのかな？

それにAIで作られた作品の権利関係とかは、まだ厳密に法整備が追いついていないと思います。この辺も技術の進歩が早すぎるので追いつくのは大変なのかな？

私の次の目標は映像化までAIに任せて見ようかと思ってます。でも楽しくなければやりませんよ。次回って訳には行きませんが、いずれそのうち、かなり長い目でお楽しみに！

8.CMのmedibeautyとは

今回のCMのモデル企業(まだ存在しないが)を最後に紹介しておきます。

私の友人であります‘みさみさ’が、自身が従事している医療の分野に、メイクやファッションを取り入れる事で患者様の心のケアを目的として、そこから得られる効果から、生きがいと癒し、そして笑顔を引き出そうと言う試みです。それにより、症状の緩和や進行を遅らせたりする事を目的としています。

それを「医療と美容の架け橋」と称して、それを先導して行く企業“medibeauty”を立ち上げるべく日夜努力しています。分かりにくいテーマですが、医療ではカバー出来ない、人間本来の生きる力を引き出す美容的アプローチです。

▼medibeauty公式WEBサイト
https://medibeauty.my.canva.site/

これは医療関係にとどまらず、介護にも同じ事が行え、認知症予防、進行の抑制、生きがい、に繋がる事になると思います。

誰もがいずれ通る事になる病気や老化。誰しもが健康で生きる権利があります。少しでもそう言った方々にお手伝い出来るのが“medibeauty”です。

ここnoteでも定期的に記事を投稿しています。ぜひ読者になって応援いただければ幸いです。

medibeauty｜note

※前回、今回と投稿記事のトップ画像は、世界的に有名なバンドのアルバムジャケットを、写ってない部分までAIに描かせた物です。権利関係もありますので、見なかったこと、聞かなかったことにしておいてね✋ ！

#AIとやってみた