【連載小説】この子が、いたからじゃ、ないので 7話
トイが街中に溢れている様子を見て疲れ、キャンパス内でも自由にあちらこちらへ行く様子を見てはまた疲れた月曜の夜。彩矢は部屋でぐったりと倒れ伏して、風呂上がりの濡れた髪を乾かしていた。彩矢を散々やきもきさせたトイはというと、棚に置かれた彩矢のお気に入りである小さなクマのぬいぐるみにちょっかいを出してきゃっきゃしている。
楽しそうだねぇ……いやまあ、ご機嫌でいてくれるなら楽なんだけどさ。
友里恵はある程度放っておく事、なんて言っていたけれど、どうしても何をしているかが気になっ