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米澤穂信さん『本と鍵の季節』~青春とミステリーの苦いところ~

 米澤穂信,『本と鍵の季節』,集英社,2021

 米澤穂信さんの作品は久しぶりに読みました。これまで読んだ作品は「古典部シリーズ」。こちらは小説と漫画を並行して読んでいます(でもなかなか新刊がでなくて)。あとは以前弟から借りた「ベルーフ」シリーズの『王とサーカス』。「ベルーフ」シリーズはまだこの作品しか読んだことはありません。

 私にとっては、上記2シリーズ以来の新シリーズです。

【感想】米澤穂信さんが書かれる「日常のミステリー」が、古典部シリーズの時よりもビターと言うか重い感じがしました。それ故に、謎解き自体は楽しいのですが、結末まで読んだあとの後味が苦いなと。高校生に背負わせる事件の内容としては少し重いのではないか、と思ってしまいました(でも、コナンくんも金田一少年も刑事事件を扱っているか)。主人公堀川次郎と友人の松倉詩門のキャラクター、そして図書委員と言う設定は私にとっては魅力的でした。そして、2人を訪ねて来る生徒たちの背景の複雑さも(苦さの理由は依頼者によるものであると思います)。この2人がこれからどのような「日常のミステリー」を解決しまた2人の関係がどう変化していくのかについても楽しみです。

 ここまで読んでいただき、ありがとうございます。