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2023.02.16 LaLiga第21節 レアル・マドリーvsエルチェ

・はじめに

おはようございます。こんにちは。こんばんは。
ベルナベウでCWC優勝トロフィーお披露目から始まった21節エルチェ戦。
我らがカピタンがクラブのレジェンドラウール超えの得点記録を成し遂げたメモリアルゲームを振り返ります。

以下、スタメン。

両チームのスターティングメンバー

ヴィニシウスがサスペンションでこの試合有給。
左WGの穴を埋めるのはロドリゴ、通称“ヒダリゴ“
アラバが戻ってきた事によりカマヴィンガは本来の中盤、この試合はピボーテに入ることに。
エルチェは前節ビジャレアルをハットトリックで打ち砕いたミージャが欠場
ちなみに表記上は5-3-2であるが、カルモナが1列前で4-4-2のフォーメーションの時間が多かったりする。

・試合内容

この試合のエルチェ、まぁ〜〜〜〜〜〜〜緩い。
理解し難いレベルで全体が緩い。
守備は4-4-2の陣形が基本線。
クレルクが左SB、フィデルが左SH、ディエゴ・ゴンサレスが右SB、カルモナが右SH位置に入る。
バックラインの集中力と連携の拙さは勿論のこと、特に気になったのは中盤。
ピボーテ(兼ダブルボランチの左側)のグンバウが中途半端に動きすぎる+その近くのIHが埋めるなりフォローするなりのメカニズムが何も整備されてなかった印象。

上記の問題点が特に発現しているのがマドリーの先制点。
前半8分、アセンシオのゴール。

マドリーの1点目

カマヴィンガからボールを受けたバルベルデが右サイドへ斜め、即ちクレルクの方向にドリブルで運び、後方のカルバハルに預ける。
バルベルデのこのプレーは「①グンバウを釣り出す」「②ドリブルコース終着点のクレルクへ自身の対応を迫る」といった2つの効果をもたらし、それによって中央のスペース空けカルバハルのフリー状況を創出。
その後、前述のスペースで前向きにアセンシオがボールを受け、そのまま仕掛けて得意なシュートアングルを作りながら個人技でゴール。
エルチェDF陣の迎撃でもディレイでもない守備対応も相まって簡単にゴールが決まった。
CLリヴァプール戦も控え、コアメンバーのプレータイムも管理していきたいこの試合において大きな大きな意味を持つ先制点。

前半15分、ボックス内左からロドリゴが近くの4人分、そしてファーでクロス対応してる選手の視線を集めながらベンゼマへクロス。
このシーンにはエルチェ守備陣のボールウォッチャーになりがちな癖が顕在化しており、マドリーの2点目のPKに繋がるのは必然だったように感じた。

それが前半29分、マドリー2点目のPK獲得シーン。

マドリーの2点目のPKに繋がるシーン

ロコのヘディングクリアにより、サイドにルーズボールが送られる。
エルチェの選手は特に誰も反応しようとせず、難なくカルバハルが回収。
チェックも距離が遠かったクレルクが後ろから追いかけてくる程度で非常に遅く、カルバハルはボックス内の状況を余裕で把握。
ファーに逃げるようにマークを外したベンゼマに合わせ、ヘディングがロコの手に当たってハンド。
これによって得たPKをゴール右上隅にベンゼマが決めて得点。
ラウール超えのマドリー歴代得点数2位に浮上。
前節マジョルカ戦で失点したシーンみたいなルーズボールへの反応の悪さと完全にボールウォッチャーになるバックラインの対応、前節白いチームもやってましたよ()。

ビルドアップからの前進で比較的上手いシーンは散見されるものの、やはりミージャがいない影響もあるのか、ファイナルサードの怖さと精度が足らないため、危ういシーンは特に見られず。
また、エルチェに前進される理由の1つとして、特に2点取った後あたりから、序盤の展開で感じとっていたであろうエルチェの攻守の強度に合わせてマドリーのトランジション自体も緩めになってしまっていたことも考えられる。
特に、この試合の両IHの特徴である運動量で制限をかけるだけの属人的な守備をしていたことは気になった。
しかし、それで守れてしまうのも事実ではあった。
中盤を越えても後ろに控えるミリトンがエルチェのカウンターを個で封殺する鬼畜っぷり

ヴィニシウスをサスペンションで欠いたこの試合のトピックはロドリゴの左WG、通称“ヒダリゴ“。
アンチェロッティも話していた通り、大外アタッカーというより、中央で衛星となりベンゼマをはじめとした周囲とのコンビネーション打開を得意とする選手。
特に大外を攻撃的SB()のアラバが担保してくれていた際にはより内側でベンゼマと絡むことができ、良さが活かされる形に

そんなロドリゴが前半終了間際の45分にPKを奪取。

マドリーの3点目のPKに繋がるシーン

バルベルデのCBに対する内切りプレス、アセンシオとカルバハルが立ち位置でそれぞれサイドに開いたグンバウと前線へのパスコースを牽制し、フィデルへのパスを誘発。
フィデルに出たボールをカマヴィンガが予測と長い脚で奪取し、前進。
ベンゼマのヒールパスを経由し、ロドリゴがボックス内でシュートをチラつかせた切り返しで足を引っ掛けられ、PKを獲得。
2度目のPKを今度はベンゼマが左に沈める。
チームとしてハイプレスが上手くハマり、ボックス付近で攻撃を完結させられた良シーン。

前半終了、3点リードで折り返す良い展開。
後半開始。交代は無し。

後半は特にアラバ、セバージョス、ロドリゴ、ベンゼマの立ち位置によって、左サイドの攻めに変化をつけつつそこから押し込むシーンが目立った。
セバージョスがクロース落ちで3CBのような形を形成してみたり、アラバが内外レーンを使い分けてみたり。
ロドリゴは前半同様ベンゼマとのコンビネーションや、ベンゼマが外に開いたタイミングで中央ポジションを取る。
上記の選手で三角形の3人称ないし菱形の4人称で流動的に左サイドからの攻撃を組み立てる。
得点自体は生まれなかったが、ゴールへ迫る試行回数は前半同様多め。

マドリーの保持局面概略図

後半58分、63分、64分と連続したのがアラバのクロスでゴールに迫ろうとするシーン。
63分のような比較的深めの位置まで持ち込んでアセンシオのボレーに合わせたクロス、64分のようなベンゼマを狙ったアーリークロス気味のクロスの両対応。
現状マドリーの前線にターゲットが少ないのが難点ではあるが、シャープで精度の高いキックはアラバの十八番。
これはメンディ、カマヴィンガ、ナチョに比べてアドバンテージがある特徴である。

後半67分にはモドリッチ、チュアメニ、オドリオソラを投入。
完全休養ではなく、20分程度のプレータイムを与えることにより、コンディション維持を狙っているものだと推察。(オドリオソラはまぁ...。)
(勿論バルベルデ、カルバハル、セバージョスの休養の意図も大きい。)

サブからモドリッチやチュアメニといったコアメンバーがこの展開の中出場してくるのは恐らく地獄であり、前者はライン間アタックと絶対に奪われることのない信頼できる預けどころ、後者は持ち前の守備力と気が利くボール保持サポートで貢献。

そして迎えた後半79分、モドリッチがトドメの一撃をぶち込む。
カマヴィンガがボールを奪い、モドリッチ→ロドリゴとパスが繋がる。
ロドリゴは得意のライン間ターンで簡単に前を向き、ボックス内左側にいたカマヴィンガへ。
そしてカマヴィンガの横パスをアセンシオがスルーし、モドリッチの外向きトラップからの対角シュートでゴラッソ。
奪ってから時間をかけず、複数人で中央を破壊した良いゴールであった。

試合終盤のトピックとしては、やはり後半80分のアリーバス投入が挙げられるだろう。
この試合ではボールを受けられる回数はそこまで多くはなかったが、前プレやプレスバックを怠らず、ボールを受けた時には横断ドリブルからロドリゴへスルーパスなど要所で輝く。
ドリブルコース上で邪魔だったマリアーノ先輩を指差し指示しながらどかす等、物怖じせず自分の得意なプレーを見せつけることはできていた。
最後の90分にはミドルレンジかつ利き足ではない右足だったため、ブロックにあってしまったが、3トップによるコンビネーションのカウンターからシュートを放つシーンも。

その後、2分のアディショナルタイムもスコアに動きは無く4-0で終了。
もっと獲れたのでは?とも思うが無理してペースを上げる必要もないのでまぁ...。
(いや、チャンスを考えるともっと点は欲しかった。特にロドリゴに。)

・まとめ

最下位エルチェ相手にヴィニシウスを休ませながら確実に勝ち点3を積み上げることができた試合。
ロドリゴとベンゼマのコンビネーションはヴィニシウスの不在をネガティブに作用させることなく、ロドリゴの優秀さが際立つものに
比較的早めに先制点を奪うことができたのも良かった。

怪我明けでもミリトンが傑出の出来だったのが本当に朗報。
なんとかエルチェが繋ぐカウンターの芽を1人で全部摘み取ってしまう理不尽さ。
迎撃守備やオープンスペースでの1on1カバーといったストロングポイントは健在
試合終盤にはラボーナクロスをあげてみるなど、ブラジル魂も忘れていない。
この男の活躍はCLリヴァプール戦でも必要になるはずなので、とてもポジティブな要素である。

プレータイムも管理しつつ、カスティージャの選手をピッチに立たせる。
4得点を奪って守備はクリーンシート。
エルチェの試合運びに難があったことは確かであるが、ポジティブに試合をクローズすることができた。

・おわりに

着々と迫るCLベスト16リヴァプール戦に向け、プレータイム管理をしながらリーグ戦を乗り越える必要があるこの試合という意味では、比較的良かったのではないだろうか。
CWCで結果を残した若手を即起用する意思も好印象。

稚拙な文章、お読みいただき誠にありがとうございます。
よければ拡散等していただけますと幸いです。今のところLaLiga全試合レビューするつもりではいます。多分。

それでは!

※画像はTACTICALista様、エデル・ミリトン公式様を使用しております。

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