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謹賀新年!

「本年も、よろしくお願いします!<(_ _)>と言いたいところじゃ!」

「姫、昨年はなんかひどい年でしたよね。」

「うむ、モノは考えようとも言うが、しかしなぁ、すごい年じゃった。」

「名前を言うてはいけないって言われる悪魔のようなモノが跋扈して、」

「人がバタバタと倒れる。」

「歴史によく出てくる話だと、こう言うときは”義民団”みたいなのが出てきて、流民を集めて、戦を始めるなぁ」

「特に、中国の歴史はそうですね。」

「中国の歴史は、中央政府が民の端々まで食わせられなくなると、そこいらじゅうに流民が溢れて、その内の勇者たちが割拠しだす。」

「その後、その中でのより抜きん出たものの下に組織されて行って、最終的に中央政府と対決、倒す。」

「中華の”漢民族”と言うのは、実は、実態はよく分からないと言う人もいる。」

「流民の大親分が新たな中央政府を作ると、それが”漢民族”になっていく。」

「殷・周の頃なら、羌族などは異民族で、太公望呂尚などは、羌族じゃな。」

「周の武王を助け、文王の宰相となり、そして、文王に、いまの中国東北部にあたる”斉”の国をもらって、国王となる。」

「斉は、途中で家臣(田氏)の下克上があり、羌姓の国ではなくなるけど、秦の始皇帝の時代まで生き抜き、楚と漢の争いも、東北部で静観していたなぁ。」

「最終的に、漢の家臣、韓信に滅ぼされる。」

「そこでは、今でも有名な縦横家の”酈食其”の話が起こるな。」

「昔は、漢文の時間に習ったりしましたね。」

「”史記”の有名な話の一つじゃな。」

「中国の歴史は、紀元前から、このような合戦と陰謀の歴史じゃな。」

「その上、敵を釜茹でにしたり、何十万人と穴ほって埋めたり、誠に凄まじい。」

「現代の日本のアクティブな作家さんで、中国史に詳しい方といえば、まずは、どなたが面白いでしょうか?」

「様々、いらっしゃるが、妾、宮城谷昌光さん、北方謙三さん、あたりが個人的に好みじゃな。」

「ふぅーん、確かに、”太公望”など、読み応えありましたよね、確かに。」

「あとな、陳舜臣さんの本は、今、もう一度、読むべきだと思うな。」

「懐かしいですね。中国と日本、両方を文化的にも良く知る作者の文章は、深い。チンギスハンなんかのことも書かれている。」

「太平天国やアヘン戦争のことも書かれているなぁ。」


「アヘン戦争のことは知っておかないと、現代の中国の欧米への”恨みつらみ”の源は理解できないよな。」

「そうですね。200年も前の話ですが、大陸の民の恨みは深いようですね。」

「ま、それはそうとして、少し、話を変えよう。戦前からの神戸在住の華僑の流れをくむ中国人は、幼い頃から、清朝の”科挙”の準備をしたものだそうじゃ。」

「従って、歴史認識が深くて、広い。」

「大阪外語大は、今では、阪大に吸収されてしまいましたが、一昔前は、面白い人がいっぱいおられたそうですね。」

「陳舜臣さんや司馬遼太郎さんの学友に、”もうひとりの陳さん”がいて、このかたは、モンゴル語学科だったけど、科挙の準備をされていたので、4年終えて、モンゴル語学科の修士1年生になられた時に、中国語学科の助手に採用されて・・・!」

「あ、それ、どれだったか忘れたけど、司馬さんと陳さんの対談だかに出てきますね。」

「そうそう、中国語学科の居並ぶ高名な教授連中が、陳さんのところに古文献を持ち込んで、

『陳くん、ここはどう解釈するんですか?』

なんて聞きにきたらしい。」

「当時、清朝は滅びていたんだけど、中国ではまだ、清朝が復活する可能性もあったので、神戸の良家では、科挙の試験の準備をさせていたらしいですね。」

「深さと広さが違うんだよな、当時でも。今では、もう全然歯が立たないような気がするけどな。」

「科挙があった頃は、一旦、周辺や外国に逃げても、復活できる道があった。」

「いわゆる、中国の”客家(ハッカ)”ですね。」

「鄧小平さんなんかも、客家の出身じゃよ。客家は、とにかくよく勉強するし、力もある。」

「ユダヤ人、ソグド人、その他、故国を持たなくなった民の力ってものもあるんですよね。みんな力強い文化を持っているように見えます。」

「唐の頃、玄宗皇帝と楊貴妃の話(長恨歌)に出てくる安禄山は、アントニオの中国名で、安禄山と名乗っていて、実は、ローマ系の母とソグド人のお父さんとのハーフだったそうじゃな。」

「ソグド人は、ウイグルと近くて漢民族のウイグル警戒は、歴史的に深いこともあって、なかなか難しい問題を抱えているな。」

「話しを戻して下さい。」

「ん、”四書五経を諳んじ”って言うけど、ただ、憶えているだけでは、合格しない。清朝の科挙って言うのは、そのキモの面接では、居並ぶ百官の長の前で、その面接官から出された質問に対して、適切な部分を諳んじながら、当意即妙な案を出し、さらに、意地の悪い質問に対して、明確に反論し、自説がいかに優れているか、とうとうと述べる、などと言うことが要求されたらしい。」

「その点では、中国の官吏採用試験はものすごく進んでいた。」

「むしろ、最近の中国は、その点退化してしまったようにも見えるな?」

「まあ、よくわからないですけどね。」

「日本では、例えば、東大や京大の文系の二次試験の”歴史””地理””政治経済”などはその流れを汲んでいる。」

「暗記しているだけではダメで、きちんと議論できる力を試しているよな。」

「必要な知識を有機的に連関させながら、たくさん持っていてきちんと議論できないと点数にならない。」

「”文化は周辺に残る”ってことでしょうか?」

「その通りだと思うな。」

「殷・周の頃から、敵国にスパイなどを送り込んで、反間苦肉の策を弄し、思いどりに動かしながら、敵を滅ぼすなんてのは、日常茶飯事!」

「春秋戦国の頃なら、もう、本当に、ある意味、華々しい合戦よりは、裏切りあい、裏切らせ合いの面が強いですよね。」

「春秋の小さい国など、安易に強国の軍隊を頼って自国に兵隊を引き入れいれたりして、政敵を打ち滅ぼすと、いっときは良いが、結局、国そのものがその強国に吸収されてしまう、なんてのは、もうしょっちゅう。」

「小国で、派閥争いが過ぎた国は、国自体がなくなる。そのなくなり方の見本市みたいになってるな、春秋戦国の頃の中国!」

「今でも、やっていると思うぞ。こないだの大統領選挙でちょっと、びっくりしたが、すでにアメリカもその手にかかっているようじゃ。」

「その点、ヨーロッパはロバストですよね。」

「ローマ人、ギリシャ人、ゲルマン人も負けず劣らずの”汚い負の歴史”は共有しているからなぁ・・・」

「どっちが勝ってもいいけど、あまり周辺に迷惑かけないで欲しいよな。」

「いざとなったら、南半球の暮らしやすそうな国にでも逃げたほうがいいな。とりあえずほとぼり冷めるまで!www」

「そんなことにならないようにして欲しいものです。」

「うむ、2021は良い年になってくれることを願って!」

「今年もよろしく!」


参考文献:

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