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3度目の夏

3年前の7月、
物語りが終わった。

終わったというと美しいけれど
本当は

考えたこともないほどの
最悪の形で

急に失った。

役所というのは、
まともな人しか手続きができない

逃げるように家を飛び出したら
できる手続きはなにもない



いろんなところに助けを求めた

自治体の施設、訪問診療、
方法が電話だけだったから、
ほんとにたくさん電話したけれど、

誰にも何にも通じなかった

電話して、
来てくれたのは

救急車と警察だけだった






そんなとき、
助けてくれたのは

そのとき偶然近くにいて
声をかけてくれた、

心ある人

携帯で鳴らすことのできた
音楽、

手元にあった本

助けの手は、ほんとうは
手続きや、形式の
外側にあった


続きの物語は
その一年後、

本当に偶然はじまった

生きるとは何かと、
考えたことがなかったけれど

生まれる前の約束について
考えられるようになった



"生きる意味を生きる"


3度目の夏に

呼ばれるように


思ったことだった


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