また履いて出掛けられた
師走も 気づけば 冬至を過ぎました。
(地元の駅前です)
わたしの仕事は着物の着付けです。
ご予約がない時も、此のきもちを持ち続けています。
仕事のない日が続くときは 自己練習に尽きますが、自分で着て出かけることも 未だにとても勉強になります。
先日、着物で出掛ける用事の前夜 まとまった雪が降り、平地にも 積もりました。
その様な時は、トップ画像の冬用草履を履いて出掛けます。
雪国にお住まいの方は ご存じの事と思いますが、
この草履は 雨下駄ともまた違い 爪先が丸く覆われていて、草履裏は皮ではなく 靴底の様になっています。
思った以上に滑りにくく、特につま先が冷え切らないので、この季節 重宝していたことを 目的地への道すがら 思い出しました。
まだ社会に出て間もない頃、着物の着方を習いたくて着付け教室に通い始め、着られる様になってからは、その嬉しさも手伝って 何度となく着て出掛けました。
浴衣も 冬の礼装も 季節やシーンに合わせてなるべく、機会を見つけて着ていたので、
履き物や、季節の小物を少しづつ買い揃えていき、結果として 細かい知識が徐々に深まっていきました。
時間を経て、
久しぶりに暮らしはじめた故郷は、実は遠い場所でした。
いまの自分には 知らない街より、
遠いところに感じます。
だからこそなのか 今だけなのか、雪道で冷えた体のままで 何処かお店など入っていくと、
皮膚に何かが沁みるように、暖かいものがより温かくて
やるせない 気持ちになります。
日々の暮らしが変わったことを、外の空気で体感しながら
自分の人生を生きるには、
目を逸らしたい何かがあっても
自分に訊き続けるしかないと
氷点下の 季節の風に、何度か頬を叩かれました。
帰宅後、着ていた着物の汚れを 干しながらチェックしたところ、気温が低く 雪がサラサラだったため、シミが残るような汚れは無く、ほっと一安心しました。
寒さが本当に厳しい、雪国の真冬。
切れそうに澄んだ空気のなか、顔を上げると どんな時も、
景色がとても綺麗です。
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